気の向くままに

山、花、人生を讃える

少年と大きなリンゴの木

2020年05月01日 | 読書

アメリカの絵本作家であるシェル・シルヴァスタインという人が書いた『The giving tree(与える木)』という絵本があるそうです。
日本では村上春樹が翻訳していて、『大きな木』という題名だそうです。

1964年に出版されて以来、今日まで38カ国で900万部を超えて売られているロングセラーなんだとか。

 

私はその絵本を直接は見ていなくて、『この星で生きる』(谷口純子著)という本の中で紹介されているのを読んで知りました。
それは少年とリンゴの木の物語ですが、次のように紹介されています。

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ある所にリンゴの木があった。その木は小さな少年を愛した。少年も木が好きで、毎日木のところに来て、葉っぱを拾ったり、木に登って遊んだり、リンゴを食べたりした。やがて少年は成長して、あまり遊びに来なくなり、木は寂しくなった。

 

そんなある日、少年はまた木のところにやってきたが、自分は大きくなりすぎてもう木では遊べないと言う。それよりお金が欲しい、と木にねだる。木は自分はお金は持っていないが、自分の枝に実ったリンゴを売ればいいという。そこで少年は、リンゴを抱えて帰っていく。木は、その後ろ姿を見て幸せを感じる。

 

 何年もたち、少年は成長し、ある日またリンゴの木を訪れる。そして、「家がほしい」と木に頼む。木は自分の枝を切って家を作ればいいという。少年はリンゴの枝を伐って家を建てる。少年の役に立って、リンゴの木は幸せだった。 

 

 さらに何年もたち、少年は中年になって木のところへやってくる。そして、「遠くへ行くためにボートがほしい」と木にねだる。木は自分を切り倒してボートを作ればいいという。リンゴの木は倒され、切り株だけが残る。 

 

 やがて、さらに何年もたった後に、年老いた少年がやってくる。彼はもう何もほしがらないが、疲れたので休みたいという。そこで木は、切り株になった自分に座って休めばいいと言い、少年はそれに従い、木は幸せを感じる。 

      

     

以上ですが、これを読まれてどんな感想をもたれるでしょうか。

 

ある人曰く、「木の与えるばかりの愛に、無償の愛を感じて感動した」・・・これは著者の感想。

 

また或る人曰く、「僕は無償の愛より、木から与えられるばかりの恩知らずの少年と、親の恩に気付かずに来た自分が重なり、なんだか物悲しい気持ちになった」・・・これは実は私が最初に読んだときの感想。 恥ずかしいので小さい字。

 

また或る人曰く、「僕は、自然と人との関係を象徴していると思う。人類は自分本位に好き勝手に自然を利用し、破壊して来たが、自然に与え返すことをしてこなかった。それを象徴しているように感じた」・・・・これは著者の夫になる人が別の本で書いていた感想。

 

なるほと、色々感じ方があるものですね。絵本とは言え、考えさせられる話だったので、紹介させてもらいました。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

      ムラサキ科 ホタルカズラ(蛍葛) 

    

伊吹山で初めて見ましたが、その時のことはよく覚えていない。絶滅危惧種になっていたと思う。

 

 

コメント (8)
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