CⅩⅩⅩⅩⅣ「大いなる幻影」1999 東京の路地、階段上の部屋、若いチンピラたちが、部屋の中を物色している、物音の響き、部屋から運び出したボックス金庫、階段から落下、カメラは見上げていたが、パンダウンして、階段下に落下した金庫、そして路地、冴えない夜のネオンの下、若者たちが降り立って、運んで、壁にごみを投げつけて、取り散らかして、暴れて、金庫を開けて、札束を奪う、そんな中に主人公のアップ、表情、この物取りの中に、初めから居たのだろうか、通りかかって彼らと出くわしたのか、カフェバー、行ったり来たりの娘、カウンター奥の酒瓶たち、客ともスタッフも、ぶらぶら歩く者たち、主人公は部屋に、窓辺のソファ、座り込む、が、その座っている主人公が、画面から、消えて、同じソファ捕えた固定ショットの中、人物は刈が、ゆっくり消えていく、そもそもの初めから、主人公は亡霊では無かったか、だから、あの若者たちの中に居たのも、紛れ込んだのも、亡霊の紛れ込み、主人公の消えた部屋、郵便局、客、受付の娘たち、出される封書たち、スタンプを押す娘たち、運ばれる荷、ボックスの中に、仕事が終わったか、娘は荷の中の封書を取りだして、部屋に、主人公の居た部屋、消えた部屋、屋上、物干し、持ち帰った封書を開けて、草花の赤い実、ギターの録音の娘、教師役の青年、一節録音が終わると、他の楽器に、ピアノ、戻った主人公、テープを取りだして聞く主人公、窓辺の主人公、座っている、だが、果たして、いるのだろうか、既に死しているのか、亡霊か、判らない、娘との関係は、二人は、ともに、部屋の中に在ることを分っているのか、テントのないトラックの荷台に佇む娘、他の人々も、トラックでの通勤、これはごみの、埋め立てから、町に向かうトラックか、どうやら会社に向かっているのだから、出勤風景、ならば、住んでいるのは、主人公も娘も、戻ってきた屋敷は、ごみ捨て場の近隣、ごみ捨て場の中の幻想の屋敷の中、娘の居る部屋、窓からマンションが、警報が鳴り響く、廊下を男と女が、逃れ、追いかけ、またの日にも、二人の追っかけ、見つめる娘、その見つめる娘を見る逃れる娘、階段下に、そして、娘の住まう部屋に、慌てて、ドアをロックする娘、だが、逃れてきた娘の執拗なノック、開けて中に入れてしまう、男もまた、追いかけてきて、部屋の中、困惑の娘、男は娘を抱いて外に、戻っていく、警報の鳴響く中、この二人もまた幽霊ではないか、あのトラックの通勤者たちも、デモテープを聞かせる主人公、聞き入る、プロデューサーだろうか、友人だろうか、ミュージシャンだろうか、始まりのカフェでの二人、二人は語らい外に、どぶ川の向かいで、若者たちが屯している、また、犯罪か、盗人か、主人公は一人別れて去っていく、残った相棒の、プロデューサーだろうか、金属バットを手に、若者たちは、こちらに向かって進み來る、向かい行く男、怒りの、苛立ちの若者たち、主人公と男と若者たち、握手する四人、和解したのか、車を走らせる主人公、古いお屋敷の前、車を止めて、何やら盗み出して、遁走、相変わらずの、盗み稼業、主人公と若者たちの関係は、だが、これまでの若者と同じグループかどうか、デモテープの男との関係は、果たして、主人公の仕事は、郵便局の娘、封書の振り分け、部屋、だが、マンションの見える部屋と、始まりのソファの部屋は、同じなのだろうか、荷物が片づけられて、襖を黄色と青で塗る二人、黄色の中の丸い白、張り紙がしてあったか、丸く白く切り取られて、横の襖は青く塗られて、あの青は、郵便局で働く娘のチョッキの青、娘と主人公、草原、土手上の高層ビル、土手下から、見上げるカメラ、横移動、部屋の中のサッカーの試合、その応援のドラムの響き、反復される音たち、寝ている主人公、の後ろの画面、競技場でのドラムのバンド、響き渡る同じ音、座って試合を見ている娘、部屋の二人、恋人通し、兄弟、夫婦、娘の持って帰る封書たち、何かの目論見が有るのだろうか、何所か組織からの知らせか、二人の役割は、娘は部屋に張られた地図をはがし、日本列島のない、地図に、描く日本、娘は二人で一緒に行こうと、誘う、トランクを持ち、運び、外に、上空を舞う飛行機、飛行場に向かうか、その最中に、太鼓の響き、応援の人々、巡って、娘を撮り込み、一方には、黒づくめの若者たちの集団、通りを横に広がって、太鼓の行進を止めようと、彼らの面前で止まる楽隊、下がり去っていく、楽隊の者たち、娘は一人、取り残されて、そこに取り囲みの黒づくめの男たち、男たちになぐられ、倒されて、倒れて画面から消えて、だが、男たちは執拗に、殴りつける、盗人仲間の、仕業、デモテープの男と主人公、男は去っていく、後を追い、殴り倒す主人公、これら、若者たち、男との、関係は、仲間なのか、敵なのか、仕業ごとに、倒れた娘を探し出し抱きしめる、死したか、いや、初めから死していたのでは、娘は目を開ける、幽霊だから、抱きとめる主人公、郵便局の娘、働く娘、そこに黒づくめの男たち、若者たち、脚立でカウンター内に入り込み、駆け込み、襲撃、だが、壁際に倒れ、座り込み、マスクを外してしまって、顔を晒した主人公、見つめる娘、互いに、判っていたか、偶然の再会か、壁際の主人公を捕えるカメラ、また消える主人公、壁が残されて、そんな主人公を見つめていた娘、全ては、こんな主人公を幻想として見ていた娘、己の死もまた、散々なるリンチも、娘の幻想、いや、主人公の幻想、そして、二人は郵便局の外の階段に座りこむ、行き場のない、宛のない、希望のない、二人、これが恋、死した二人の恋、死している恋、そんな二人の姿を幻視する私、監督、こんな私たちは、映画に見返されていないか、あなたも、また幻だよと、現実も、映画も、まぼろし、ま、ぼ、ろ、し、大いなる幻、
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