こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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老人の骨折

2010-11-09 23:32:24 | 訪問看護、緩和ケア
今年になってから、もう何人もの患者さんやそのご家族が骨折をしています。

ちょっとしたつまずきだったり、更衣だったり、もちろん転倒だったり。

悲しいくらいに、いとも簡単に折れてしまう・・・。

10日ほど前に、Aさんに訪問すると奥さんの手がパンパンに腫れ上がっていました。
「どうしたの?」
「ちょっとバランス崩して、手をついたのよ。昨日整形に行ってレントゲン撮ったけれど、折れてはなさそうって。でも一応シーネで固定して様子を見ましょうっていわれたの。」

でも、すごく腫れています。

骨折と言っても、ひびが入る程度だと、角度によってはよくわからないこともあり、お年寄りなどはもう一度レントゲンで見てやっとわかることも珍しくありません。
もう一度、午後にでも受診することをお勧めしました。
すると、やはり手首にヒビが入っていることが判明しました。

幸いご主人は、翌日から初めてのショートステイの予定が入っており、奥様のレスパイトになりました。

ご主人がそのショートステイから帰った翌日、また訪問してみるとAさんの片足の足首から下が腫れています。

ショート中は、車椅子に乗って施設内をあちこち自走して回っており、かなり多動であったことが申し送られていました。
足の腫れは、帰宅直後に判明。
でも、本人はあまり痛がりません。
もともと浮腫みの強い足なのではっきりせず、ぶつけた記憶も全くありませんでした。
しかも、階段を介助でいつものように上がって帰宅し、トイレも行っているとのこと。

湿布をはって様子を見ていましたが、今日になって奥さんから電話がありました。
「足がすごく腫れちゃって、色も変わってるんだけど・・」

たぶん骨折していると思い、受診を勧めましたが、奥さんも手を骨折中。
しかも腰も悪いので、歩けない夫を一人で受診させるのは大変です。
お子さんもすぐには来れません。

いつも無理を聴いてくれる介護タクシーをお願いして、整形で待ち合わせました。

既往歴もたくさんあり、薬もたくさん飲んでいるので、情報提供も必要です。

そして、やはり骨折でした。しかも2か所も・・・

自走していて車いすのまま、どこかにぶつけたか、はさんだか・・
認知の方は、特に痛みの感覚もあまりないようなので、自分から訴えることがうまくできません。

今となっては、原因もいつ受傷したのかもわかりません。

はぁぁぁ~・・・。

ご夫婦で手と足を骨折とは・・。

整形ではもう一人うちの患者さん、お父さんの骨折で通院中の息子さんにも逢いました。
息子さんが若いので介助も安心です。

しかし、どうしてこんなに簡単に折れるんだろうかと、改めてびっくりしてしまいます。

老々介護では、いつもこういう危険が伴います。

介助しようとして、一緒に転倒なんてことも、よく頭をかすめてぞっとしますが・・。

体力の低下している老人などは、骨折がきっかけで廃用症候群に拍車がかかってしまうこともよくあります。
骨折→食事がとれない→全身の筋力低下→呼吸状態の悪化
みたいな図式が、その通りに進んでいくこともよく体験するだけに、骨折は本当に侮れません。

施設に連絡して、デイサービスでの対応を強化してもらい、またご家族にももっと協力体制をお願いしました。
今後のことも含めて、調整性が必要です。

老人の骨折。恐るべし!です。