こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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辛い時間

2010-11-27 22:54:31 | 訪問看護、緩和ケア
昨夜のお別れが、ずっと頭から離れません。

昨日は、午後に一度訪問をしました。
主治医から、病状の悪化に伴って、今後の支援体制をみんなで考えましょうと提案があり、ケアマネと私と、主治医で時間を合わせての訪問となりました。

少し遅れて訪問すると、すでに先生もケアマネもおり、ご家族とご本人がお別れの挨拶をされているところでした。


泣きじゃくりながら、娘さんもお別れの挨拶をされました。
妻も、母も。


時として、思いが強いほどに、うまく言葉に出せなくなります。
そして、ほしい言葉が受け取れずに悲嘆することもあります。

それでも、うまく言えなくても、最後には伝わります。
家族だから・・・。


そしてその夜、予期していたとはいえ、時は訪れました。

最愛の一人息子を亡くした母と、最愛の夫を亡くした妻、父を亡くした子供たち。

それぞれの思いは、少しずつ違います。

ずっと、傍らでその光景を見ていました。

死は、誰にでもやってくるし、それが明日の自分の身に降りかかってこないなんて保証はどこにもありません。
いつか私も、家族も死を迎えます。
年だからいいとか、若いから早いとか、私の立場で言ってはいけないのかもしれません。

でも、やはり早すぎると思うのです。

想いが残りすぎます。
どちらにも・・・。

もっと伝えたかったこと、あるはずです。
一緒に行きたいところも、たくさんあるはずです。
ずっとずっと、家族の未来を一緒に見たかったはずです。
家族の生活を支えていきたかったはずです。

その言葉の一つ一つが、ずっと繰り返し私の頭の中で繰り返されます。

夕方の訪問時、帰りがけに玄関先で自分を責めて泣いた妻。
何一つ、だめだったことなんてない。
あなたは、ちゃんと伝えられたじゃないですか。

肩を抱き寄せて、少しすると「気持ちが楽になりました。」と言ってくれました。

どんなにたくさんのお別れを見ても、その度に苦しいです。
旅立っていった人は、もう帰ってこないけれど、残された人たちのこれからがとても気になります。

一つ一つの風景の断片が、断続的に思い出されるのです。

今日、主治医だったO先生から電話がありました。
病状の悪化している患者さんのことで相談した後、昨夜のことを労ってくれました。

「苦しかったですね・・ゆうべは。本当につらいお別れでした。奥さんが、心配ですね。」

先生もまた、同じように苦しかったようです。

苦しくても、逃げない。

それが私たちのキーワードですよね。

最後に「これから、お姉ちゃんは、ママをしっかりと支えてください。」そう言った先生の言葉に、ずっと背筋を伸ばして聞いていた中学生のお姉ちゃんが「はい!」と大きな声で答えました。

死後の処置も、葬儀屋さんか私たちでするかを尋ねた時、「私たちでします!」大きな声で言ったのはこの娘さんたちです。

その姿は、逆に私たちの救いとなりました。

そうです。
あのしっかり者の姉妹がいます。
のんびり天然キャラのママを、きっと支えてくれるでしょう。


今日も、緊急訪問がありました。
状態は低下しているものの、大事には至らずほっとして帰ってきました。

もうしばらく、こんな状態が続来そうです。
眠るのが一番の元気回復法。
これでもう寝ます。おやすみなさい。