こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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引き潮・・そして介護講習会

2010-11-29 22:23:30 | 訪問看護、緩和ケア
昨日のブログを更新してから、朝までに二人の方のお看取りがありました。

先週から5人もの方をお見送りして、結構堪えました。

それぞれの方に、それぞれの人生があって、そして自分の人生と言う物語を終えていきます。

昨夜、旅立たれたAさん。
一番かわいがっていた、年の離れた末っ子の息子さんが来るのを待っていたかのように、駆けつけた息子さんの腕の中で、最後の呼吸をして旅立っていきました。
「お母さん。大好きだよ。お母さん。辛くない?お母さん。お母さん。」
そばにいる私に、息子さんが言ったこと。
「つらいですね。わかっていたけど、母親っていうのは、堪えますね。どうしよう、涙が止まらない・・。」

私も、母にずっと頬ずりしたり、しがみついて離れませんでした。
「お母さん。お母さん。嫌だ。逝かないで。」そんなことを、いい続けていました。
あの時、病院の看護師が「処置をしますから、ご家族は出ていてください。」とワゴンを押しながらやってきて、外に押し出されたことが、すごく悲しかった。

だから、家では気持ちが落ち着くまで、そばにいて抱きしめて、泣いて・・。
気持ちが落ち着くまで待っていることにしています。

でも・・
こう続いては、私の体の周りに『死』の影がまとわりついているようで、どこか不安な気持ちになります。

よく、昔の人は「人は引き潮の時に逝くんだよ。」って言いました。
それが本当なら、この1週間は皆その潮に引かれて逝ってしまったのでしょうか。

そして、今日の夕方にもまた一人、旅立っていかれました。

大きな船が、こちらの岸をゆっくりと離れていくようです。


そんななかでも、毎日は確実に忙しく過ぎていきます。

今日から、看護学生さんの実習も始まり、こんなバタバタのステーションの一日を、最初から見る事になって、二人ともちょっとびっくりしていたようです。

それでも、今日一日3件ずつの訪問と、朝の申し送りを聴いて、在宅だからこその、ご家族への支援もしっかりと気ずいて、反省会で涙を浮かべて話してくれました。
今度の学生さんも、まっすぐな姿勢で臨んでいます。頑張れ~。

私はと言えば、今日は区役所で開かれた在宅介護者さん向けのセミナーの講師として「オムツ交換の方法」についてと、訪問看護についてのお話をしてきました。
最初に、横リハのPTさんによる移動動作や、体位交換などの講習で、実際にグループ分けしてやってもらいました。
参加者は30人くらいでしょうか?
40代ぐらいの方から、80近い方まで、男性も5人ほどいらっしゃいました。

みなさん真剣で、今すでに介護中の方から、これから退院します。という方までで、やはりいろんなことが不安だったり、負担だったりするのでしょうね。

オムツの見本を見せて、いろんなバリエーションの方法と、実際のおむつの当て方、臀陰部洗浄の仕方なども、区役所の職員さんをモデルにして、実際の方法を見ていただきました。

また、今回瀬谷区の訪問看護連絡会で作成した区内の」訪問看護ステーション8か所が入ったパンフレットもお渡しし、訪問看護も上手に使っていただけるように、ちょこっとだけご紹介もさせていただきました。

反響はあって、講習終了後も、何人かの方がご質問に来てくださいました。

いろいろと心配事はあると思いますが、ぜひ声をかけていただいて、訪問看護師が在宅のお手伝いをできればいいなと思いました。
(瀬谷区は8か所もあるんですよ~。県で10か所もないところだって、たくさんあるのに。つかwなきゃ損です!)

明日は少し残務整理ができるといいのだけれど・・・。

さて!元気を出すには、寝るに限りますね。おやすみなさい。