こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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医療者の言葉かけ

2010-11-12 23:39:32 | 訪問看護、緩和ケア
今週初め、嚥下機能が落ちてきて、どうしても物が呑み込めないと言って、精神的にも落ち込んでしまっている患者さんについての相談が、担当ナースよりありました。

長い経過のなかで、いろんなアクシデントに見舞われていて、辛い闘病をしていた方です。

食道手術後なので、そちらの先生に何度もご家族から相談をしていますが「慣れるしかないですね」という事で、日により食べられたり食べられなかったりしながら、ずっと悩んでいたようです。

うちのステーションでは、『診てもらうと元気が出る耳鼻科の先生』に時々往診をお願いしています。時々私が記事しているあのキムシノ先生です。

今までも嚥下機能が悪くて気落ちしている患者さんに、適切な嚥下指導をしながら、本当に上手に気持ちを引き上げてくれて、あきらめかけていた経口摂取ができるようにしてくれたことが何度かありました。

今回は、娘さんから嚥下機能評価をお願いされ、キムシノ先生にご相談して、状況をお伝えしておいて、クリニックに行ってもらいました。

結果は・・やっぱり元気百倍でした。
なんだろう?
なんでキムシノ先生の言葉であんなに元気になるんだろう?
往診の時、先生の話し方をずっと聞いていると・・。

なぜ飲み込みずらいのか、どういう形なら安全なのか、反射はどのくらい残っているのかなど、わかりやすく丁寧にお話をします。
出来ないことより、出来ることに喜びを感じられるようにお話をしています。

これで、うちの患者さんは、何人も食べられるようになりました。
エンシュアもやっとだった方が、今では普通食になった方も・・。
(その彼は、今だに不安になると受診しては、また元気になっています。)

先生の言葉は、それほど効果があると言う事を、先生たちはもっと知ってほしいと思います。

反面、医療者にとっての些細な言動は、患者さんを思う以上に打ちのめしたりするのです。

やはり、ホームドクターに「ものすごく悪化している。うーん、困った。どうしよう~」と言われて、すごいショックを受けた方がいます。
うちの患者さんのお母さんです。
もう高齢なのですが、今でも障害を持った娘婿の介護をしている方です。
働き手の娘に代わって、今まで一切の家事と介護をこなしてきました。
このお母さんは、私たちの誇りでもあり、尊敬するひとです。
私たちにとっても、このところのお母さんの弱っていく姿は、見るに堪えないものでした。
お母さんは、従軍看護婦もしていた強者で、沖縄人のおおらかさと芯の強さを持って、結婚してわずか3年で障害を負ってしまった娘婿の、手となり足となって30年を過ごしてきたすごい母なんです。
呼吸器の疾患が見つかって、ホームドクターから、治療についての説明をされ、かえって不安を募らせていました。

大きな病院へ行って看てもらおう!

家族も私たちも、何度も勧めましたが本人が納得せず、それじゃあと言う事で、やはりちゃんとお話をしてくれる先生に一度相談をしようと言う事になり、Y先生をご紹介しました。

今日、先生からもご家族からもご連絡をもらいました。

ご家族も本人も、とっても明るい声で「本当に行ってよかった。知りたかったことに、全部答えてもらえたし、とてもよく話を聴いてもらえました。検査も全然違うし、ちゃんと診てもらえました。」と電話がありました。
ご家族とももう一度話し合い、高齢だからと言って、まだまだ家事をこなしたいお母さんの治療を、最初からあきらめないで、治療の出来る専門医のいる病院に行こう。と言う事になりました。

先生のムンテラ、やっぱり恐るべしです。

同じことを説明するにしても、絶望的な話しぶりか建設的な話し振りかで、患者さんはこんなに前向きになれるのですよね。
在宅医であれ、大病院の専門医であれ、クリニックの医師であれ、もちろん私たち看護師であれ、医療者の態度や言葉は、本当に患者さんにとって最初の治療なのだとおもいます。
特に、高齢者は思い込みが強かったり、うまく理解できなかったりしますので、とても強く影響します。

いつも巻き込んでしまう先生方には、忙しいのに申し訳ないとおもいつつ、お願いしています。
ほかにも、皮膚科の先生やめぐみの先生、うちの理事の先生方・・
頼りにしているんです。よろしくお願いしますね~。

もうすぐ事例発表会

2010-11-11 23:45:54 | 訪問看護、緩和ケア
横浜市訪問看護連絡協議会主催の事例発表会が、16日に開かれます。

各ステーションの訪問看護師はもちろん、病院関係、ケアマネなども含め、すでに100人の定員を超える申し込みがあり、担当役員は対応に追われています。

私はといえば、在宅緩和ケアの事例発表をすることになっているのに、抄録出したらもうすっかり終わった気分になってしまって・・・。
そろそろ気を引き締めて、最終チェックしないといけません。

それにしても、今回初めての事例発表会なのに、こんなに盛り上がってしまって、大丈夫なんでしょうか。
講評も、横浜市立大学の地域看護学教授田高先生にお願いすることとなり、あまり恥ずかしい発表は、学生の受け入れ先としてもできないな・・と。

とはいえ地域の中核病院からの出席者も、ケアマネさんも多数参加するので、ぜひとも訪問看護の魅力と効果をお知らせせねばなりません。

全国でいえば、訪問看護の知名度もまだまだ低く、東京、神奈川、大阪、名古屋などの大都市以外では、1県に10か所程度しか訪問看護ステーションがないところも多く、さらに地域でわければ全くないところのほうが多い状態のようです。

ちなみに横浜市は、連絡協議会の会員だけでも140以上あり、神奈川県でいえば300以上あるようです。
ただ、2人とかで頑張っているステーションも多く、常に開業と閉鎖とが繰り返され、流動的なのも問題ですが・・。

いまだに地方へ行くと、病気=入院が当たり前で、在宅で看取るなんていうと「病院にも入れない非情な家族」などと親戚から攻められたりする事も少なくないそうです。

それが横浜では、訪問看護の事例発表会にこんなに集まるなんて、やっぱり恵まれているのだなぁと改めて思います。

11月29日には、瀬谷区でも高齢者の介護者向けにセミナーがあり、安全で体に負担のない移動の仕方などを、PTさん、オムツ交換の方法を私が行います。
この時には、まだまだ知られていない訪問看護についても、少しお話しする時間を頂いています。

今後の高齢化を考えればなおさら、待遇改善もすすめながら、訪問看護を全国展開できればいいなとおもいます。

心臓の音

2010-11-10 23:42:09 | 訪問看護、緩和ケア
今日は、昼過ぎに退院した患者さんのところに、うちの専任ケアマネと伺いました。

中学生と小学生のお子さんのいる家に、最後の時間を過ごすために、帰ってきた患者さんです。
パパは、もうあと少ししか、生きることはできません。
子供たちもそれをちゃんと知っています。
でも、パパの前では、いつものように明るくて、いろんなことをお手伝いしてくれる、しっかりものの娘さんです。

途中からは、在宅医が往診にきて、一緒にいろんな話をしました。

たくさんの思い。たくさんの無念。
苦しみと、悲しみと、慈しみと、それらの凝縮した時間。
仕事の事、仲間の事、生まれた町の事、子供の事、妻の事、母の事、そして病気の事。
涙で、声にならないけれど、先生はじっと言葉を待って、みんなでじっと耳を傾けていました。

診察が始まると、ママの隣でずっと見ている小学生の娘さんに、先生が突然声をかけました。

「パパの心臓の音、聴いてみる?」
「うん!」

その子は、すぐに先生の横にやってきました。

パパは、娘がその鼓動に耳を傾けるのをじっと見つめていました。

「聞こえる?心臓の音。」
「うん、聞こえる。」


次に、ママが聴きました。
夫の心臓の音。

その次に、おばあちゃんが聴きました。
息子の心臓の音。


残念ながら、お姉ちゃんは不在でしたが、きっと先生はお姉ちゃんにも聴かせてくれるのだろうと思います。

言葉にならない、言葉にできない思いの詰まった時間。

叫びたいほどの思い。胸が痛くて・・でも、なんて優しい時間なのだろうと・・。

同行したうちの専任ケアマネは、ただただ泣いていました。
10月からうちに来て、今まで経験したことのない現実に、彼女もまた葛藤しているようでした。

ステーションに帰ると、「何とかならないのかな?何とか助けられないのかな?」涙でうるませながらつぶやいていました。

死は、もう避けることはできません。
本当にすぐそこまで来ています。
その無念も、苦しみも、わが身に置き換えて考えただけでも身が切られるような思いになります。
だからこそ、何とか少しでも支えになれるように、私たちはそこにいたいと思います。


 
今朝訪問した患者さんのマンションから見えた景色です。

富士山が、今日はかすんで見えます。

昨日の夕方、緊急訪問した時には、真っ赤な空にくっきりと黒くそびえていました。
雲の間からさす夕日に見とれてしまいました。
なので、今日はカメラを持参しました。

今日、ほんの少しだけれど、その患者さんもこの富士山を見ることができました。
マイケルが、部屋を抜け出して、お散歩中でした。
 

明日も富士山、見れるといいですね。

老人の骨折

2010-11-09 23:32:24 | 訪問看護、緩和ケア
今年になってから、もう何人もの患者さんやそのご家族が骨折をしています。

ちょっとしたつまずきだったり、更衣だったり、もちろん転倒だったり。

悲しいくらいに、いとも簡単に折れてしまう・・・。

10日ほど前に、Aさんに訪問すると奥さんの手がパンパンに腫れ上がっていました。
「どうしたの?」
「ちょっとバランス崩して、手をついたのよ。昨日整形に行ってレントゲン撮ったけれど、折れてはなさそうって。でも一応シーネで固定して様子を見ましょうっていわれたの。」

でも、すごく腫れています。

骨折と言っても、ひびが入る程度だと、角度によってはよくわからないこともあり、お年寄りなどはもう一度レントゲンで見てやっとわかることも珍しくありません。
もう一度、午後にでも受診することをお勧めしました。
すると、やはり手首にヒビが入っていることが判明しました。

幸いご主人は、翌日から初めてのショートステイの予定が入っており、奥様のレスパイトになりました。

ご主人がそのショートステイから帰った翌日、また訪問してみるとAさんの片足の足首から下が腫れています。

ショート中は、車椅子に乗って施設内をあちこち自走して回っており、かなり多動であったことが申し送られていました。
足の腫れは、帰宅直後に判明。
でも、本人はあまり痛がりません。
もともと浮腫みの強い足なのではっきりせず、ぶつけた記憶も全くありませんでした。
しかも、階段を介助でいつものように上がって帰宅し、トイレも行っているとのこと。

湿布をはって様子を見ていましたが、今日になって奥さんから電話がありました。
「足がすごく腫れちゃって、色も変わってるんだけど・・」

たぶん骨折していると思い、受診を勧めましたが、奥さんも手を骨折中。
しかも腰も悪いので、歩けない夫を一人で受診させるのは大変です。
お子さんもすぐには来れません。

いつも無理を聴いてくれる介護タクシーをお願いして、整形で待ち合わせました。

既往歴もたくさんあり、薬もたくさん飲んでいるので、情報提供も必要です。

そして、やはり骨折でした。しかも2か所も・・・

自走していて車いすのまま、どこかにぶつけたか、はさんだか・・
認知の方は、特に痛みの感覚もあまりないようなので、自分から訴えることがうまくできません。

今となっては、原因もいつ受傷したのかもわかりません。

はぁぁぁ~・・・。

ご夫婦で手と足を骨折とは・・。

整形ではもう一人うちの患者さん、お父さんの骨折で通院中の息子さんにも逢いました。
息子さんが若いので介助も安心です。

しかし、どうしてこんなに簡単に折れるんだろうかと、改めてびっくりしてしまいます。

老々介護では、いつもこういう危険が伴います。

介助しようとして、一緒に転倒なんてことも、よく頭をかすめてぞっとしますが・・。

体力の低下している老人などは、骨折がきっかけで廃用症候群に拍車がかかってしまうこともよくあります。
骨折→食事がとれない→全身の筋力低下→呼吸状態の悪化
みたいな図式が、その通りに進んでいくこともよく体験するだけに、骨折は本当に侮れません。

施設に連絡して、デイサービスでの対応を強化してもらい、またご家族にももっと協力体制をお願いしました。
今後のことも含めて、調整性が必要です。

老人の骨折。恐るべし!です。


まだ月曜日・・?

2010-11-08 23:00:03 | 訪問看護、緩和ケア
ひゃー。
まだ月曜日だというのに、なんだか目が回るような一日でした。
後回しにできるものは、全部後回しでとりあえずの事からかたずけて・・・。

忙しくなるのは、いつも突然です。

そのうえ、今日は職場の理事との定例会。

結局今日も帰宅は10時半でした。

そして今日はまだ月曜日。

明日も、明後日も新患さんが待っています。

それでも、やっぱり患者さんのことで動いているのは楽しいです。

すこしでも、いいほうに向いてくれたら、うれしいなと思います。

今日の新患さん、夜間の不穏があって、ご家族は大変だとか・・。

お薬が少し変わりましたし、レスキューもちゃんと出ました。

今夜は、少しゆっくり眠れるといいのですが・・・。

明日もまた忙しそうです。

今日は、これでおやすみなさい。

顔見るだけでも。

2010-11-07 22:44:55 | 訪問看護、緩和ケア
家にいて、病状に変化が出てくれば、「大丈夫だろうか?」という不安はついて回ります。

病院にいれば・・・。そう思うのは、こんな時だと思います。

このところ状態のおちている患者さん、昨日の緊急訪問の時にだいぶ調子が悪かったために、ご希望で今日も担当の看護師が訪問してくれました。

やっぱり、なんとなく調子が悪くて、不安な様子だとか。

青森に出張中の主治医に連絡すると、今日の夕方には往診してくれるとのこと。

それを伝えただけで、急に元気が出てきたようです。

担当ナースが「先生が来てくれることがわかったら、急に落ち着いてきました。血圧も安定したし、呼吸苦もないです。でも、やっぱり先生には行ってもらいたいんです。大丈夫ですよね?!」と電話をしてきました。

「先生には悪いけど、さっきまで具合悪かったんだし、来てくれることがわかって落ち着いたのだから、やっぱり往診してもらおうね」って言いました。

先生の顔が薬なんですよね。

出張がえりで申し訳ないけど、お願いしちゃいました。

同じように、担当ナースが顔見せるだけで、元気になっちゃう人もたくさんいます。

もっとすごいのは、電話の声だけで元気になる人も。

アルツハイマーのおばあちゃん。
薬のセッティングをしたり、主治医と連絡を取ったり、一緒に歌ったり遊んだりする担当ナースが、一番信頼できる相手のようです。

訪問日の前後になると、担当ナースのKさんを思い出すらしく、ステーションに電話がかかってきます。
なぜか彼女は担当のKを「先生」と呼びます。
これは訂正できないらしく、「K先生いますか?体の震えが止まる薬がないんですけど。」と、ほぼ内容は同じです。

訪問当初、原因不明の振戦が発作的にあり、状況を観察したり、内服の内容を調べていたら、ある内服薬の副作用の疑いが出てきました。
ホームドクターと相談の結果、その内服を中止し、プラセボ(偽薬)を投与するようになったら、すっかり発作はなくなりました。(そのドクターもKさんを信頼してくれているので)

それでも彼女は、時々その発作が起こるのではないかという不安で、不穏になることがあります。

すると彼女は、これだけは忘れないらしく、ステーションに電話をしてくるのです。

でも、ほとんどKさんは訪問中でいません。

事務のどちらかが、「もしもし、Kですよ。もうすぐ行きますからね。大丈夫ですよ。ちゃんと飲み薬の中に入れてありますからね。」と、Kさんになりすましてお話します。

「わかりました!先生。ありがとう!」

そうして彼女は、安心して電話を切ります。

その直後にKさんが訪問しても、電話をしたことはすっかり忘れてしまっていますが、「先生!先生!」と大喜びで迎えてくれるそうです。


よく主治医が病状説明や治療の説明をして、「これは効きますよ。」とか言うだけで、元気になっちゃう患者さんたくさんいますよね。(私もその口ですが・・)

『「ムンテラマイシン」お願いします。』なんて、昔よく主治医に言ったけれど、本当に信頼している医療者からの言葉かけは、とってもよく効くんです。
(ムンテラっていうのは、医師が患者さんに病状説明することを言いますが、それと抗生剤などによくつかわれる○○マイシンという言葉をかけて、「よく効く先生の話」という言葉を作ったナース用語です。)

そのくらの関係性ができると、患者さんも安心して在宅で過ごすことができるのだと思います。

安心して、最後まで過ごせる。

そういう信頼関係が作れることが、在宅の醍醐味だと思っています。

自分で考えること

2010-11-05 23:51:14 | 訪問看護、緩和ケア
新しいスタッフは病院勤務が長くて、初めての訪問看護はびっくりすることばかりとか・・・。

看護師と言っても、最近は専門性が高くて、配属された部署によって、仕事内容は大きく変わってきます。
病院の中での違いはもちろんのこと、病院以外でも施設や保健室、クリニックや血液センター、看護協会やお役所や、健診センターなんかもありますね。

それぞれ仕事は大変だと思うけれど、やはり訪問看護は特殊なのだと思います。

流れ作業や、決められた処置を繰り返す部署もある中で、訪問看護は自分で考えなくてはなりません。

今、患者さんを前に、この状態をどう判断するのか。
フィジカルアセスメントってやつですね。

病院ならば、すぐに仲間や医師と一緒に考えることができますが、訪問中はとりあえず自分で考えることが必要です。

考えることは、病気の事だけではなくて、家族関係の事から環境の事、それぞれの心の問題まで・・・
もちろん、その場にはいなくても、私たちが必ずサポートはしますが。


でも、まず考える。

自分で考えること。
自分でどうケアをするか決めること。

それを、辛いと考えるか、楽しいと考えるか・・・。

責任の重さを、苦しいと考えるか、やりがいと考えるか・・・。


自分の出した答えが正しいかどうかが不安なのだといいます。

私は、そう思うのは、決して悪いことではないと思います。

少なくとも、思い込みで突っ走ったり、強要したりするよりは・・・。

不安だったら、その場からでも電話をくれればいいし、帰ってから一緒に振り替えることもできます。
でも、不安そうなそぶりを、患者さんの前で見せることは、いいことだとは思いません。
その駆け引きが、だんだんできるようになる。

考えて。
緊急性はどうだろうか?
患者さんはどうしたいのだろうか?
穏やかでいられるには、どうしたらいいのだろうか?

これは、現場で覚えるしかないのです。
その考える時間が、在宅にはちゃんとありますから。

まず、考えることから逃げないで、向き合ってほしいなとおもいます。
絶対に、喜びに代わる日が来きますから。

今日、スタッフYが、新しいスタッフを連れてMさんのところに行きました。

Mさんはご高齢ですが、自分で一所懸命練習して、カフティポンプの操作も覚え、ほとんど動けなかった状態から、今ではIVHをキャリーに入れて、散歩ができるまでになった方です。
まだ、ふさがりきらない気管孔を押さえて、たくさんおしゃべりもしてくれます。

奥様が、突然倒れ入院してしまい、今は息子さんと二人暮らし。

そして、今日はMさんの誕生日です。

「お誕生日おめでとう!」

スタッフ二人で、ハッピバスデーディア Mさ~ん
と歌ってきたそうです。
Mさんは、「この年になって、誰にも誕生日なんて祝ってもらえるとは思わなかった。」と言って泣いて喜んでくれたそうです。

こんなささやかな出来事も、私たちの喜びなんですよね。

少しでも、訪問看護の良さを分かってもらえたら、すごくうれしいのだけれど。
それが、今の願いです。


流れが変わるとき・・・。

2010-11-04 23:50:05 | 訪問看護、緩和ケア
再び、患者さんMAXです・・・。

もうちょっとゆっくり増えればうれしいんですが・・・。
新しいスタッフのSさん、ただいま同行訪問で奮闘中です。

無理せず、しっかりと現場を見てほしい。
在宅で大切なものは何かを、ちゃんときずいて受け止めてほしい。

そうして、素敵な訪問看護師さんとして、一人立ちしてほしいと願っています。

ここで、ちょっと新患さんはストップかな・・?

ケアマネとセットの患者さんが一気に来ましたから、ちょっと整理しないとごちゃごちゃになります。

ここにきて、いろんなことが動き出しました。

今まで落ち着いていた患者さんにも、いろいろな変化が・・・。

流れが変わるときは、周りも変わるようです。

見えない流れに緩やかに沿って、無理に逆らわず、いくつかの別れと、いくつかの出会いを経験していくのです。

気になるのは、今日ご依頼の患者さん。

残り少ない時間を、どうしても自宅に帰って過ごしたいとのこと。

家族の声を聴きながら旅立ちたいと願って、家族もそれを受け入れて、週明けの退院の予定でした。

午前中にベットも入ります。
でも、退院が伸びてしまったと、連携室から夕方連絡がありました。
眼科からの「待った。」だそうです。
様子を見たいから?って・・・。
残り時間が少ないことを、知らないわけではないと思うのですが・・・。

ちょっとしたことで退院が伸びると、タイミングをはずして帰れなくなることがあります。
連携室ナースも、それを危惧していました。

一日でも長く、家族との時間を過ごさせてあげたい・・。

なるべく早い退院を、願うばかりです。

大人のおむつの上手な当て方

2010-11-02 23:47:38 | 訪問看護、緩和ケア
11月末に、瀬谷区民の介護者対象に、おむつの当て方講師と訪問看護の紹介をするので、いろいろ資料を揃えたりしていたら、すごくわかりやすいHPを見つけたので紹介します。

白十字社のHPで、「大人用おむつの当て方」を動画でわかりやすく説明しています。
これなら誰でもよくわかるし、横漏れしない効果的な方法です。

ただこれは女性なので、男性用はパットの当て方を三角にしたり包み込んだり、既成のパットを利用したりする必要があると思います。
ちなみに男性用は、三角にしてくるむと、尿を漏らさず吸ってくれます。

市販のもので、最初から袋状になったものもあります。

またHPには、どのパットがどのくらいの吸収量があるかも載っているので、一般の方にはすごくわかりやすいと思います。

ちなみに、プロの介護者でも、ちゃんとオムツを当てられずに、やたらめったらパットを詰め込む方がいるので、うちのステーションでは、一応ナースもヘルパーも再確認の意味で、見てもらおうと思っています。

時々、尿量が多くて横漏れするからと言って、テープ式にフラットオムツに大パットに小パットを重ねて、さらに上からもう一枚横に乗せて…という方に出会いますが、あれは逆効果だとおもいます。
フラットオムツは、吸収量も少ないし、ギャザーがないのでますます横漏れすると思いますし、いっぱいオムツを重ねることで、通気性も悪くなるしカンジタなどの真菌がついたり、雑菌による膣炎をおこしたりします。
もっとひどいと、褥瘡の原因にもなりますよね。
根本的な改善策を、プロにご相談いただけるとうれしいです。

パットもいろいろあります。
PH調整で、かぶれ防止機能のあるパットも登場中です。

あと、初回訪問で「いつもどのようにおむつを替えていますか?」と伺うと、ご主人とかが、やおらまたがって、片手で両足を持ち上げて、片手でおむつを引っこ抜いたりしていることがあります。

これは、とってもまずいです。

お互い腰は痛めるし、ちゃんと当てられないし、引っこ抜いたときに、ふやけて薄くなった皮膚までベロンとはがれたりします。
オムツは、基本的には横を向かせて、体位交換をしながら行うのが一番安全です。(お尻がすごく上がる人は別ですが)
ちゃんと横を向けて、オムツを外してみることで、皮膚の観察もできますし、ちゃん臀陰部洗浄もできます。なにより、きれいに良い位置でおむつが変えられます。

実際のセミナーでは、区役所の若い担当さんと実験台に、実際のおむつ交換を見てもらおうと思っています。(大丈夫、パンツを脱がせたりはしませんから・・。)


そうそう、一番心配の種なのが費用ですね。
値段は実際ピンきりですが、介護度1以上から非課税であれば助成金が出ます。
自治体によって、金額は変わると思いますので、ぜひ区役所に問い合わせてみてください。
ケアマネさんに、まず相談してもいいとおもいます。

やっぱり、あと一人・・・

2010-11-01 22:56:32 | 訪問看護、緩和ケア
「新患さんの受け入れできます!」と宣言したとたんに、すでに5枚の訪問待ちの紙がぶら下がっています。
明日は、新患さん1名と午後から退院前訪問が2名です。

・・・

やっぱり、あと一人なるべく早く来てほしい。

せっかくの宣言も、またしばらくストップしないと、間に合わないかも・・・。

今日から来てくれた、新しいスタッフが一人立ちできるまで、なんとか頑張らなくちゃいけません。
(明るくてかわいらしいニューフェースです!)

でも、待っていてくれる患者さんに迷惑はかけられませんので、なんとかあと一人ゲットしたいと思います。

ちなみに、専任ケアマネとして10月から働いてくれているSさん。

驚異のおばさんパワーで、すっかりステーションに馴染んでいます。
そして、今日も自転車こいで、あっちこっちと駆け回っていました。
なんてたのもしい!

おかげで、ケアマネのストレスからは解放され(自分の持っている数人の利用者さんはべつですが)、ケアマネ・訪問看護セットのご依頼もついつい「はいはい~」って、うけちゃいます。
でも、そうとばかりは言ってられません。

いまだかつてないくらい、今はターミナルの方も重傷者も少なく、緊急電話も持っていて気が楽だったのですが、今週末からはまた緊張する当番となりそうです。

わーん。なんとかあと一人、一緒に働いてくれる人募集中です!