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●シリーズ<古代史の探求>⑬・・・2016年3月30日第一刷発行・・・
●昨年10月、惜しくも亡くなられた古田武彦さんの遺稿?も含めた、最新の研究成果などが掲載された論文集・・・。
●「“邪馬台国”は無かった」(昭和46年)以来、営々と築き上げてきた古田史学・・・もう、あれから45年は経っているんだ・・・古田史学を知れば知る程、ホント、今の古代史学会や考古学会ってのは、一体何者なんだと思ってしまう。
●今回の論文集もとても楽しめた・・・一応、学問・学術的な論文なので「楽しむ」というのも変な言い方だが、いままで何度も読んできた内容に新たな研究成果が加わっていて、目新しい知識・情報や視点などもあったから、そういう言い方でも良いのではないかな?ただ、この論文集だけ読んでも、わからない人にはわからないし、面白くもなんともないと思うけど・・・。
●その内容や視点などはともかくとして、漢検1級を受け続けていて、漢字やその熟語の世界にも興味を持っている者にとっては、またまた、面白いものが書かれていた・・・「千里」の話や「二倍年暦」の話は、以前、どこかに掲載したので省略・・・幾つもあったけど、2、3のみ紹介・・・
①「生口」・・・といったら、=「捕虜」「俘虜」・・・これ、漢検1級受検者にとっては常識レベル・・・
・「諸橋大漢和辞典」やその元となる「康煕字典」でも一番目にそう書いてある。
・しかし、その文例を見ると「捕得生口」=生口を捕得する・・・これ、「捕虜を捕得する」?「馬から落ちて落馬」する類の変な文章になる・・・
・本来は「生口」は“捕虜”ではないのではないか・・・「生きとし生ける者」というのが正しい。(「康煕字典」のイデオロギー解釈をそのまま、諸橋大漢和は丸呑み)
・例えば、広島県の「生口(いくち)島」・・・捕虜の事ではなく、極めて神聖な意味ある命名の筈・・・、また、史書にある「生口を献上」の類の表現・・・これも捕虜(生け捕ったもの)ではなく、人間(の数)のこと。ついでにいえば、「献上」は史書編纂側のイデオロギーで、本来は“使節団”(の数)と中国へ連れていた人数ではないか 等々・・・。
②伊都国・奴国の官名「泄謨觚(セモコ)・柄渠觚(ヘクコ)・兕馬觚(ジマコ)」の起源
・周王朝に起源をもつ。周王朝の儀礼・祭祀に使われた青銅器・・・「鼎」と「爵」・・・
・「爵」(酒を注ぐための青銅の酒器)・・・この「爵」を用いて酒を臣下に与えていた・・・(ここから「爵位」など、身分を表す熟語が生まれた云々)
・この「爵」から注がれる酒を受ける祭器が「觚」(「周礼」に記述あり)・・・3種類あり・・・
・伊都国・奴国の官名に使われている「觚」・・・天子「鼎」、その配下の王・諸侯「爵」、その臣下「觚」という位取り・・・
*「觚」の前の「泄謨」「柄渠」「兕馬」のそれぞれの漢字の意味も(「説」として)書かれてあった、また、3種類の「觚」の写真もあって、とても分かりやすく理解深化に役立った。
・他にも啓発される熟語や読み方など、いくつもあった・・・。
●この論文集も、図書館に一旦返して、また何度も読み返したい書物だった。
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