杉ちゃんのWEB日記

国際山岳ガイド 杉坂 勉のブログ

2013-2-11~12 赤岳~阿弥陀岳縦走

2013-02-13 10:54:36 | ガイド山行記録

この連休の八ヶ岳、かなりの登山者でにぎわい、大変だったそうですね!

私たちは1日ずらし、人影のすっかり少なくなった山を楽しんできました!

お客さんは、去年の年末に北八つの天狗に登った女の子。今回2度目の冬山で赤岳~阿弥陀の縦走にチャレンジです!

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ところが入山日の11日、美濃戸口のわずか手前で車の横転事故があり、なんと車が美濃戸口までも入れず、太陽館のまだ下、鉢巻道路のとの分岐から歩きはじめる羽目に!ちょっと先行き不安になりながらの出発でした。

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それでも小一時間で美濃戸へ到着。おばちゃんの所で一服しいよいよ入山。連休最終日ということもあり、トレースはすでに弾丸状態。サクサクと北沢を登って行きました。

しかしこの日は朝から稜線付近はガスの中。雲の流れも速く、かなりの荒天が想像されました。

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赤岳鉱泉到着後、中山峠の展望台まで軽くお散歩。するとどうでしょう、さっきまで分厚く立ち込めていたガスがスーッと上がっていき、目の前には赤岳の雄姿が!!

明日の晴天を期待し、小屋へ帰りました。しかしこの日の夕方はかなり寒かった・・・

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翌日は高曇りではあるものの、いい天気!気温もさほど低くなく、まずまずの登山日和!

7時30分に赤岳鉱泉を出発。一路中山峠を越え地蔵尾根をめざしました。

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地蔵尾根のトレースもやはり弾丸状態で、この連休の登山者がいかに多かったかを思わせました。

途中アイゼンワークなどを練習しながら尾根をつめ、クサリ場の手前からロープを付け、いよいよ本格的登攀開始。

階段、クサリ、ナイフリッジと次々現れる難関を突破していきました。

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途中展望荘で休憩し、さらに赤岳を目指します。稜線はこのところの南岸低気圧の影響で、さぞかし雪が多いかと思いきや、案外少なく夏道が表れているところもちらほら。アイゼンの前爪での立ち込みにちょっと戸惑いながらも、午前10時45分、赤岳登頂!360度の展望を楽しみました。

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さてさて今日はこれで終わりではありません!記念撮影もそこそこに終えると、今度は阿弥陀岳を目指して文三郎の分岐を目指し、慎重にクサリ場を下っていきます。

分岐からは中岳方面へ。アップダウンの連続にちょっと疲労もありましたが、中岳稜線の雪のナイフリッジは高度感もあり、楽しかった様子。嬉々として歩いていました!

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阿弥陀への最後の登りはちょっと急登。下り用に歩幅の大きなステップにちょっと苦戦しましたが、無事に阿弥陀岳登頂成功!

午後からは、天気下り坂という予報に少し心配があったのですが、予想に反して天気は上々。阿弥陀岳山頂では日の光も望め、サイコーの気分でしばしの山頂を味わいました。

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阿弥陀からのくだりは、忠実に来た道を辿り中岳のコルへ。途中バックステップも交え、慎重に慎重に下降しました。

中岳沢は思ったよりも拭きが少なく、かなり安定していたのでここを伝い大胆に下ってい行きました。

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行者小屋まで下り切りまずは一安心。ぐるりとこの日辿った稜線や山々を眺めると、満足感もひとしお。

いやー、よく歩きました!

あとはツガやシラビソの森に包まれ、南沢をひたすら車目指して下山。いつもは歩かない美濃戸口までの林道も、この日はなかなか楽しいものでした。