医療行政と医療現場の乖離(1)
実際問題、どこから手を付けていいやら、皆目見当もつかないほど、医療現場の窮状と云いますか、惨状が続いて、情報収集に追われるばかりの毎日でした。
「医者のモラルの低下」と断じた二階大臣
「政治家の立場で申し上げるなら、何よりも医者のモラルの問題だ。忙しいの、人が足りないのと云うのは、言い訳に過ぎない」と断じたのは、東京都をはじめとする、救急妊婦のタライ回し事件を批判した二階俊博経済産業大臣の弁でした。
おりしも、産婦人科勤務医163名からの全国アンケート調査の回答結果が報告されました。
在院勤務時間の平均は295時間、月間37日勤務に相当します。最大は、月間415時間、1日8時間勤務として、月間の勤務日数は、なんと52日間。常軌を逸しています。
これでも、[医師のモラルの問題]と云うのでしょうか。
無駄な道路に、1,240億円
二階大臣の地元、国道42号線に、1,240億円を投じた道路を、地元民は「二階バイパス」と呼んでいますが、投資効果は、ほとんどないとか。
この無駄金の、10分の1でもいい、NICUに回したら、全国で1.000床も不足している保育器が、20床以上も設置できますし、何人もの救急妊婦や新生児の「タライ回し」が防げることでしょう。
問題企業から、多額の献金
さらに、二階大臣は、談合事件や設計ミスで問題を起こし、営業停止や指名停止処分を受けた3つの企業から、問題発覚後に数百万円の献金を受けています。
厳しく深刻な医療現場を見た、その上で、「政治家のモラル」の不足を、つぶさに鏡と向き合ってから、「医者のモラル」を云ってほしいと、つくづく思います。