和尚の大和路

和尚が撮った大和路写真を中心に、
旅で見つけた写真なども・・・

芥川賞

2012-03-06 07:20:27 | カメラ
少し前の話ですが、
芥川賞の受賞者会見の様子がテレビに
映し出されていました。
部屋にテレビがないので見ませんが、
この時は居間に(テレビが)かかっていたので見ていました。
受賞者の田中さんが石原慎太郎氏のコメントの感想を求められた場面です。
少しだけ気になっていて、本当の所を知りたく思っていました。
“テレビマスコミのヤラセではないのか”の疑問です。
結果的にはマスコミのコメント欲しさの(石原氏の)揚げ足取りインタビューでした。
 注 雑誌のインタビューはまともでした。
テレビでは都合のいい部分を繋ぎ合わせているので、
割り引いて見なければなりません。
そんなマスコミの報道が多いので、テレビを見なくなったのですが、
見なくなった分、ラジオを聞くようになりました。

前々回の(前回は該当なし)西村賢太「苦役列車」、朝吹真理子「きことわ」は読みました。
生活環境の全く違う二人が選ばれたことで話題にもなりましたが、
西村賢太「苦役列車」を読んだ時に重苦しい雰囲気(文学的絶望感)にとらわれたので、
60過ぎのオジンが読むものではないかなー、と思っていました。
純文学の世界では新しい光というか、新たな方向性というか
現実を飛び越えた何かが暗示されますが、
「苦役列車」にはそれが感じられませんでした。
それほど今の若者のおかれている状況は絶望的なのでしょうか。

今回、上記のようなことがあったので読んでみることにしました。
田中真弥「共喰い」
テーマ(血と性)が重苦しく、ある種アブノーマルな題材なのですが、
情景描写、構成共、しっかりしていて読み応えのある作品でした。
中上健次の時代に戻ったという作家の言葉もありました。
中上健次とは雰囲気が似ているように見えますが、
ちょっと違うような気がします。
個人の持つ暗い部分はこんなものだろうと安易に想像出来ます。
主人公が父を殺すことによって(実際は母親が元夫を殺す)転生したかに見えるところで終ります。

もう一つ「道化師の蝶」は一度読んだだけでは分かりませんでしたので
読み直します。