竹田ゆかりのブログ

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教育問題や時事問題に関する思いなど 

教科書採択を考える

2014-08-14 16:01:49 | 日記
教科書採択を考える

8月6日、鎌倉市教育委員会8月臨時会が開催された。
協議事項は、2015年度使用小学校教科用図書の選定。
つまり、鎌倉市立小学校に通う子どもたちが、来年度使用する教科書を決定する会議である。
 
冒頭の説明では、5月に教科書採択検討委員会が開催され、その後各教科調査委員会の中で調査研究が進めらてきたとの話。
調査研究の結果が資料として提示され、いよいよ協議が始まった。
教育委員の方々が、一教科ずつ意見を述べながら、推薦したい出版社を述べていく。

教員時代、採択検討委員として、調査研究したことを思い出す。
私は理科を担当した。5社の教科書、3年生から6年生まで。合計30冊を比較検討した。
具体的には、同一学年の一つ一つの単元を追いながら比較検討していく。
たとえば、単元「酸とアルカリ」の導入実験として、5社のうち、より子どもの興味関心を呼び起こすのはどの社の教科書か。
子どもの探求心にそった流れになっているのはどの社か。実験器具の取り扱いの提示の仕方は・・・。などなど。
おびただしい時間を使ったことを思い出す。
調査員は6から7人ぐらいだったかと思う。長年、鎌倉市教育研究会理科部会で研究を重ねてきた調査員全員で出した結論は同じ出版社であった。
しかし、教育委員会での採択結果は、全く異なる社の教科書になったと後日聞いた。
決して、時間が無駄であったとは思わないが、教育委員の方々がどのような理由で、他社の教科書を採択されたのか…伺いたいと思った。
かなり昔の話だ。

日本の教科書制度においては、公立の小中学校教科書は教育委員会が教科書採択をする。
子どもたちに直接勉強を教える教師であればこそ、子どもたちの思考の流れを知り、どんな力をつけるべきかを知り、どのような授業展開が適切であるかが分かる…と言ったら言い過ぎだろうか。
世界では、多くの国々が「校長先生を中心として、学校現場の話し合い」で教科書が決められている。(財団法人教科書研究センター調べ)
教育は様々な立場の方々の意見が生かされる必要があると思う。
そのための、教育委員会制度でもある。

教育委員5人の方々もきっと熱心に教科書を読みこみ検討されたことと思う。ご自身が推薦する理由を傍聴者にもわかるように述べられていた。その御努力には心から敬意を表したい。しかし…。
日本も、そろそろ、子どもたち一人一人の学びが深められる教科書採択のあり方を考えてみる必要があるように思う