竹田ゆかりのブログ

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教育問題や時事問題に関する思いなど 

総合教育会議

2015-10-15 16:58:11 | 日記
総合教育会議 大綱とは何か

「地教行法」の改正により、本年度から各自治体の「総合教育会議」で教育大綱づくりが行われている。
本改正により、首長の教育行政への関与・権限が強められ、その結果、「教育の中立性・継続性・安定性」が損なわれることはないか…。
首長が、権限を越えて、教育内容や教育の在り方に踏み込むことがないよう、昨年12月議会において一般質問をした。

鎌倉市総合教育会議第1回目(7月7日・傍聴20人)では、大綱策定方針案が話し合われた。
その中で、市長から「教科書採択方針、教職員の人事異動の基準等は、大綱に盛り込む内容としてふさわしくないと考えている」
との発言があり、当然のことではあるが明確に述べられたことは、評価したい。
しかし…。

第2回目(10月13日・傍聴7人)では、事務局(経営企画)より大綱(素案)が示され、
説明のあと、「基本理念」の意見交換に入った。
ところが、ある委員から、「キャッチコピーがあるとインパクトがあっていい」「こんなのどうでしょう」と言って、
具体例が挙げられた。
引き続いて別の委員が「キャッチコピーは耳に残るものがいい。私も考えてみたが、こんなのはどうか」と話が続き、
3人の委員がそれぞれに考えてきたキャッチコピーのお披露目タイムとなった。この展開には驚いた。
教室でこのような展開になった場合、教師は「まず、中身について議論してからですよ」とたしなめるところだ。

お披露目があった後、市長が「キャッチコピーを作っていくということで良いですか」と言ってまとめ、
事務局で文言整理をすることになった。
中身の議論もないのに、なんだか、変だ。

その後やっと、基本理念(案)「未来を拓く『生きる力』を育み、大人も子どもと共に学ぶ共育を進めます」の審議に入った。
その後の様子は、いずれアップされる議事録をご覧いただきたい。
5人の委員の教育観の違いが実によく分かる。

残念なのは、委員間でのやり取りが全くないことだ。
出されっぱなしの、それぞれの意見をこれから事務局がまとめていくのだろうが、
どうまとめていくのか。

そもそも大綱とは何か。辞書で引いてみると太い綱。転じて、おおもと。と書かれている。
さがみはら教育大綱は、基本姿勢と重点的取組3項目だけである。
しかも、方向性を示しているだけである。
私は、それで十分であると思う。
なぜなら、あまり具体的すぎると、任期中の市長の考えが色濃く反映されていくことになり、
「教育の中立性・継続性・安定性」が損なわれかねないからだ。
鎌倉市の素案では、基本目標1~8.重点施策①~⑧が提示されている。
市長から
「徳育の充実、そのために地域全体で取り組んでいく仕組みが作れないか…今後議論させていただきたい」
との意見が出された。このは単なる意見交換ということなのか?
教育大綱に盛り込みたいということになると、問題だ。

これは、2014年2月、ある会派の代表質問への答弁で、市長が
「市民の規範意識・道徳性を高めるため…徳育基本条例を作る」と述べことにたいして、
私が、「鎌倉市民に規範意識・道徳性が乏しいというのか!」と質問したことに、
「そうではない…」と答えた市長答弁に矛盾するからだ。

大綱とは何か。どうあるべきか。
教育委員の皆様の見識に期待したい。