hiroべの気まま部屋

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父からの手紙:第22回(1994年3月31日)-父からの最後の手紙-

2014-01-19 09:55:22 | 父からの手紙
 父からの手紙22回目をお届けします。

 父の字は自己流の崩し字で読めない字が各所にあります。次のように一部加工しましたので
ご承知置きください。

 ①句読点もない文章のため、句読点は適当に補いました。
 ②誤字、脱字はそのままとしました。旧漢字も可能な限りそのままとしました。
 ③略字、当て字は「カタカナ」表記としました。
 ④個人名は、関係者しかわかりませんが、一応仮名(イニシャル)としました。
 ⑤一部私の説明を追記しましたが、追記部分は‘  ’で囲みました。

 1994年3月31日 父81歳

 “父からの最後の手紙、妻から出した手紙の返事”

 拝復

 御便り有難く拝見致しました。もっと早く、一度御便りせねばと想ひながら申訳有りません。

 御蔭で婆さんも三月始め退院出来、段々元気付いて参り、暖春の季に入った事も幸して、
私も助かって居り、本人も出来るだけ努力して自分で動く様に仕向けて居り、TK‘義姉’
入院中大変世話に成りましたが、現在やれやれの心境です。

 御姉様には大変な病気に成られ心配ですね。

 一家の主婦が入院されると、如何にこまるかを私も実感して居り、一日も早い全快を願って居ります。
 実は、私も婆さんの弟の嫁が名古屋市立病院に現在入院して居り、今月二十七日(日曜日)見舞に行って
来ましたが、頸部の手術とかで大変ですが、其れに加えて主婦が入院して居ると、其れに変る者が現在無い為、
其の方の心配も想ひやられます。

 御母様、体の具合如何ですか。私も此の頃、特に体力が弱り疲れが早く成りました。
折角御自愛下さいます様に御願ひ申上ます。

 此の処、一寸寒い様に想はれますが、桜も後一週間もすれば例年の様に公園も花見で賑ふ事と想ひます。

 現在の不況下、HMさん“私”達も大変と拝察申上ます。先づ何よりも体を大切にされる事を願って居ります。

 御便り戴き誠に有難く、とりとめも有りませんが、早速に御返信申上ます。

 ME“妻”様                                     SK“父”

 三月三十一日


 
 この年の6月19日父は亡くなりました。81歳でした。

 石屋さんの職業病である「珪肺症」に長く苦しんでおり、同業で若くして亡くなる方が多い中では、
かなりの長生きだったと思います。

 「父からの手紙」、最後の手紙ということで、本来なら今日が最終回になるはずですが、実はまだ3通あります。
それは、いつの手紙か、年月の分からない不明分があるからです。
 おそらく、兄弟に内容を読んでもらえば、いつごろかは分かると思いますが、このまま不明分としてあと3回分
ご紹介して、「父からの手紙」を終えたいと思います。

 残り少なくなりましたが、よろしければ、引き続きお付き合いください。