アマプラ配信鑑賞「ラグナクリムゾン」。

　振り返ると2クールでずいぶん遠くへ来た感じがします。

　熟練した未来の自分のスキルを、現在の自分に時空を超えて身に着けさせるという特訓なしのチート技獲得。それは転生系の応用というべきか、変則技というべきか。あまりに強引なストーリーの運び方は最初から最後まで続きました。

　竜＝悪魔＝人類の敵、そして、中世と現代と未来が混然一体となった地上という世界観もかなり異質。歴史の説明もなく、どうやらここが謎の中心になっていそう。セカイ系は好みだったので、たびたび起こるストーリーの急展開もとりあえず投げ出さずについていけました。わざと
時間を飛ばしているよね…？

　観続けられた要因として、やはりキャラクターの力は大きいです。己の無力に対する自虐の炎で常にその身を焼いている主人公ラグナ。未来の自分の強大な力に飲み込まれそうな危うさを小林千晃君が上手く演じています。一方の謎に満ちたパートナー、クリムゾン。いくつもの顔を持ち、状況に応じ目まぐるしく変えていくその妖しさを村瀬君が本当に十色のヴォイスを駆使し演じていて、ただただ感心するばかりでした。すごい！

　その他には、アルテマティア役の上田麗奈さん、スターリア役日高里菜さんの熱演が特に素晴らしかった。勿論他のキャストさんも良かったのですが、このお二人が突出して存在感を放っていたように思います。

　作画はバトルシーンの雑だった回が多々あったものの終盤の数話は迫力があり、少年漫画らしいスケールの大きさが描かれていました。

　ストーリー的にはこれから本格的に謎解きに入る流れだけに、続編あればいいな…と(多分無理)。