中国産のニンニク、生姜、シイタケとか、
外食産業で盛んに使われていますから
中国産を避けるのはまず無理です。
ソースカラ
三重県四日市市のコメ販売元業者による偽装米事件や、阪急阪神ホテルズをはじめ、複数の名門ホテルや老舗百貨店にまで連鎖した食品偽装事件だ。
日本の消費者の中国産食品を避ける動きは、ますます積極的になりつつあるが、企業による食品表示が当てにならないとなると、一体どうすればいいというのだろうか?
よく言われるのは、輸入量に占める中国産シェアが高い食品を避けるという方法だ。
12年の農林水産物輸入概況の品目別統計表によれば、輸入量のうち中国産が占める割合の高い食品は、ネギ99.9%、ゴボウ99.9%、シイタケ99.8% 落花生97.4% ショウガ97.9%、ニンニク98.5%、ハマグリ93.4%、ホタテ96.1%などである。
ところが、奥窪優木著『中国「猛毒食品」に殺される』(扶桑社新書)は、これはあくまで輸入品に占める中国産の割合に過ぎず、輸入量のシェアが低ければ、いくら輸入量に占める中国産の割合が高くても、中国産を口にする確率は高くなるとは限らないと指摘。そこで同書では、ある品目の輸入量と国産品出荷量を合わせた、総流通量に輸入品に占める中国産シェアを「中国産率」と名付けて算出している。
それによると、落花生、ハマグリ、ニンニクが中国産率ベスト3となるという。産地が明らかでないまま口にした場合、中国産である可能性が高いというわけだ。また、意外なところでは、世に出回っているフグの3分の1は中国産という計算になるという。一方の、シイタケやホタテは、輸入品に占める中国産の割合こそ高いものの、輸入量自体が低いため中国産率はさほど高くない。
同書ではこのように、中国産食品をつかまされないために身につけておくべき正しい知識を紹介。さらに、中国産キノコがイタリア産に変わる産地ロンダリング、スポンサータブーとされるレジャー施設の中国産使用事情、食品偽装の裏事情についても迫っている。
ただ、中国で社会問題となっている下水油の採掘現場やがん患者が多発するゴミ処理場の村など、食品汚染の源流をたどる驚愕のルポには絶句するほかなく、完全なチャイナフリーが不可能な現状、「知らぬが仏」の感も否めないが……。リスクを正しく把握することをリスク管理と呼ぶとすれば、必読の一冊だろう。