若ママ猫に『はな』と名付けた。
以前に暮らしていたワンコの名が由来。
はなは、寝そべってるものの
食欲は出てきたようで
ちゅーるならば
与えるだけ食べるようになった。
ちゅーるを口元に差し出すと
左の手の先っちょの丸い小さな『キャッチャーミット』を
少し九の字に曲げ、爪は出さずに
私の親指の付け根付近をハッシと掴む。
「離さないかんね」
とばかりに。
私は、夢中で舐めている彼女に囁く。
「子猫も固形食を食べられるようになったしさあ。
いいよね。新たな人生、ならぬ、猫生を歩ませても」
はなは、食べ終わると
『雪女』の切れ長の目のようなつぶらな瞳で
コチラを眺めた。
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