前日の シャヴァンヌの続きです
シャヴァンヌの20代の画家をめざしていた頃の作品
「死の床にある母にルターの讃美歌を弾くジャン・カヴァリエル」1951

「アレゴリー」1848
細密に表現された人物。写実の技術を磨いていた頃の作品


イタリア旅行で後にシャヴァンヌに大きな影響を与える壁画に遭遇します。

サンタ・クローチェ教会

「聖痕を受ける聖フランチェスカ」ジョット
13世紀から14世紀に活躍した画家の壁画です。
フレスコ画特有の淡い色合いです。


この体験が シャヴァンヌの画風を大きく変えます。
シャヴァンヌの故郷にあるリヨン美術館に シャヴァンヌの作品があります。

縦4.6メートル、横22 メートルで3つの壁を飾る大作です。
「諸芸術とミューズたちの集う聖なる森」1884
女神たちが集う水辺の理想郷です。

「古代の光景」1885
古代ギリシャの生活を理想化した壁画です。

「キリスト教の霊感」1885~6
信仰と芸術がテーマです。

15世紀に活躍したラファエロと シャヴァンヌの違い
「アテネの学堂」1509~10

ラファエロのリアルな人体表現に対し、 シャヴァンヌは静止画のようで、表情もぼかしています。
またラファエロの遠近法に対し、 シャヴァンヌは平面的です。

こういう シャヴァンヌの描き方は、絵に静謐さをもたらし、世界が永遠に続く安心感を与えていると言います。
シャヴァンヌは多くの人に安らぎを与えたい願い、この壁画を描いたのです。
50代後半、壁画とは異なる1枚の絵を描きました。
「貧しき漁夫」1881

小さな舟の上で、痩せこけた漁師が祈るように頭を垂れています。
妻を亡くし、残された二人の子ども、貧しい暮らし。
手を交差させたその姿は、運命を受け入れたイエス・キリストを思わせます。
シャヴァンヌがこの絵を発表した当時は、パリは敗戦から復興を果たしていました。
美術の世界にも変革の波が押し寄せていました。
ルノワールやモネなど抽象画家が繁栄を謳歌する人びとや近代化するパリを描きます。
「ムーラン・ド・ギャレット」ルノワール1877

「サン・ラザール駅」モネ 1877

最後に シャヴァンヌ最晩年の作品
「眠るパリの街を見守る聖ジュヌヴィエーヴ」1898

かつて壁画でジュヌヴィエーヴの少女時代を描いています。
月明かりの下でパリの街並みを見つめるジュヌヴィエーヴ、何を思っているのでしょうか。