束の間の好天に恵まれた〈敬老の日〉の9月20日。
昼食に行った和食処の駐車場は満車状態、店内には着席を待つ人たちが多勢いた。私たちは即座に退散した。
〈敬老〉などという、役所が音頭をとる行事は有難いとも思わない私だが、コロナワクチンの済んだ人々が、久々の好天に家族うち揃い、年寄りを労り楽しませる食事に連れ出すのは大いに結構なことと思う。コロナと天候の不順は、我々高齢者にも相当大きなストレスをもたらしている。
別の店で昼食を済ませ、家に帰って今夜のお月見の準備に取り掛かった。家内に供え物の団子、クリ、サトイモを茹でてもらう。老生にできることは、団子を丸めるだけ。初めてにしては意外、綺麗な球形になった。
時刻になったら、夜空に雲はなく、ここ数年見たことのない満月を心ゆくまで観望できた。
設えた供壇にカキ・クリ・サトイモ・青ミカンを盛り、団子を積み上げた三宝を置いた。
今夜は本当の?お月見の前夜だが、いつ雲がかかるかわからないから天気を優先する。中国の中秋節など、日本古来の土俗行事に関係があろうはずがない。後の時代の牽強付会だろう。
お月様と共に団子・クリ・サトイモだけの質素な夕食。日頃の食事の贅沢さを痛感する。年に一回ぐらいは、こんな夕餉があっても好い。アテが無いから酒も飲まないし飲めない。
明日は友人宅で月見の本番、月見酒と歓談が楽しみだ。