道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

御殿場線

2019年10月29日 | 随想

御殿場線はJR東海の沼津駅と国府津駅との間60.2kmを結ぶJR東海の支線である。何でこんな箱根山を迂回する支線があるかというと、1934年に丹那トンネルが開通するまでは、こちらの方が明治22年の「♪〜汽笛一声新橋を〜♪」以来の本家本元、東海道本線であった歴史に行き着く。新東海道線が熱海駅経由になると、旧東海道線は御殿場線という支線となり、後に単線化された。

丹那トンネルを通らない時代の東海道本線は、丹沢の山並みや富士山とその広大な裾野の眺望など、明媚な沿線風景で列車の乗客の目を楽しませたことだろう。


愛鷹連峰

御殿場の街の中心は、日曜日ということもあって閑散としていた。御殿場市は富士山裾野の標高200mから700mの緩斜面上に在って、駅の標高は455m、平地から訪れると肌寒い。静岡県では寒い都市のトップ、紅葉は早く積雪もある。

御殿場線は、駿河小山駅と谷峨駅の中間の県境を挟んで、以西静岡県側は富士山の裾野にあたる単調な高原風、以東の神奈川県側は丹沢山地の尾根と酒匂川の地形が変化に富む山峡風、対照的な自然景観をしている。

山北駅前
御殿場の次にこの駅にも下車した。
静かな街の佇まいに、舊く佳き時代の名残りを感じた。


御殿場線山北駅、次の便まで50分待つ。
景観ばかりか沿線の雰囲気も、西半と東半とでは違いがある。静岡県側は、明治の鉄道開通によって開けた新開地の趣きがある。対する神奈川県側の古くからの街道は、詳しくないが町並みに歴史の層の厚さを感じる。松田駅近くには小田急小田原線の新松田駅が交差していて首都に直結していることは、住民の意識に大きな影響を与えて来たことだろう。まさにこの辺りは、首都圏の先端部と言えそうだ。

終点国府津駅で東海道線に乗り換え、真鶴駅に降りた。昔食事に訪れた時は車だったから、街並みは記憶にない。スケッチでもしようと、駅から真鶴港まで歩いてみた。

相模川から西の湯河原町までの区域(平塚駅から湯河原駅)を西湘と呼ぶが、真鶴半島は西湘の西端部。最近は湘南という言葉もあまり耳にしなくなった。半世紀の時の流れを実感する。

箱根から流れ出た溶岩が海に流れ込んで固まった真鶴半島は、東岸に真鶴港(真鶴町)、西岸に福浦漁港(湯河原町)を抱える。出漁中なのか真鶴港内の係留船はごく僅か。対象が無くては描くのを諦めるしかない。

岸壁に並ぶビットの間には、何組かの家族連れ釣り人が居た。昼下がりの釣れ渋る時間帯、釣れていそうに無かったので、釣果を訊くのは遠慮した。

真鶴港

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