横浜の友人から月下美人の葉を送ってもらって、その葉を2つの鉢に挿したのは、3年まえのことです。
その2つの鉢の月下美人が今年初めて花芽をつけたんです。
昨年のことですが、友人から「同時期に差し上げた盛岡の方は、花が咲いたんだけど、Kちゃんのところでも咲いた頃じゃない?」と電話をもらいました。
その年は残念なことに、花芽は尽きませんでした。
「月下美人はあまり大事に育てちゃダメなのよ。外でガンガン陽をあて、葉ががっしりしないと花をつけないから」と助言を頂き、今年は春から外に出しっぱなしにしておりました。
すると、蕾をつけたんです。
さっそく友人に知らせたら、私以上に喜んでくれました。
花芽がついてから蕾になるまでも、1月以上かかったんじゃないかと思います。
点のような花芽がだんだん大きくなって、蕾らしくなるとしなだれてきます。
なんかグロテスクな感じなんですよ。
花が咲く前に落ちちゃうんじゃないかと思ったこともありました。
花首がだんだん太くなると、その心配もいつしか消滅していきました。
初めて育てた月下美人は、花が咲くまで全ての経過が初めて目にすることです。
ただただ、月下美人の花はどんな花を咲かせるんだろうと、期待感で毎日ワクワクして過ごしていました。
友人に上の画像を送ったら
「これからだんだん花首を持ち上げてくるのよ」
「花が咲くまでは、1週間くらいかかるかなぁ~」
と言うので、少し油断しておりました。
月下美人が最初に咲いた8月14日は当地の花火大会でした。
娘達夫婦と家の前の駐車場で花火見物をして、終わって家に入ろうしたとき、月下美人が何と5分咲き位に花が開きかけています。
花火大会がなかったら、危うく見逃してしまうところでした。
2鉢ともに、同じ日の同じ時間に咲くんですね。
まるで双子ちゃんのようです。
2鉢を家の中に入れ、開花するまで1時間、きゃぁきゃぁしながら見ていました(笑)
初めて目にした月下美人の花は、圧倒されるくらい大きくて、たとえようのない美しさでした。
後でメジャーで測ってみたら直径が25cmもありました。
かつて、大輪のダリヤを育てたことがありましたが、月下美人の花の大きさはそれ以上でした。
感動して、素敵!素敵!と一人大はしゃぎした私でした。
夫は静かに「綺麗だな・・・」
そしてね、月下美人の雌蕊がまた、美しいのです。
月下美人を育てていて、何度も花を見ていらっしゃる方は、ごく当たり前のことのようにご覧になるかもしれませんが、何せ初めて花を見た私の感動は半端じゃなかったです。
「見てみて、お父さん、もう1個花が咲いているみたいでしょう。」と
雌蕊の形が花に見えるんです。
その日、友人に月下美人が咲いたことを電話で報告し、2時間くらい盛り上がっていました。
「むせ返るような香りもするでしょう」と友人に言いいます。
改めて鼻をクンクンさせる私。
香りはするけれど、友人が言うほどではない。
「初めて咲く時って、香り成分が未熟なのかしら?それほどでもないよ」
「美しく咲いた花だけでもう十分よ」
翌朝、起きて月下美人を見ると、もう花はしぼんでしまいました。
一夜限りの花の舞、最高の美しい姿を見せて頂きました。
今現在も、蕾がだいぶ大きくなってきました。
もしかした、明日あたり咲くかもしれません。
咲けば3度目の開花になります。
月下美人の開花は、この夏の一番の嬉しい出来事でした。