モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

日本原産 ヤマボウシの“実”と“花”

2008-06-11 08:30:21 | その他のハーブ

日本など東アジア原産のヤマボウシ。
ヨーロッパへの紹介は、シーボルトが絡んでいたが、
ヤマボウシの属名“Benthamidia”は、
19世紀イギリスの植物学者ジョージ・ベンサム(George Bentham 1800-1884)の名が入っていた。

ベンサムは, “ボッグセージ”の学名の命名者であり、
昨日記載した“ボッグセージ”を調べていてこのことがわかった。

この日本原産のヤマボウシが世界に広まる第一ステージの関係を確認することとし、
植物の特色から見てみる。

ヤマボウシ、ミズキ、ハナミズキの違い
「ヤマボウシ」は、「ミズキ」、「ハナミズキ」と間違えられやすい。
この稿の最後にそれぞれの特性を記載したが、
単純には、
花が咲いてから葉が出るのがハナミズキで、実は1mm程度の球がバラバラで北アメリカ東部が原産地。
ヤマボウシは、葉が出てから花が咲く。秋に熟した実は5~8mmの球となりオレンジ色。
ミズキとヤマボウシの違いは花と実。ミズキは5~8mmと小さい花が多数集まり
ライラックのような花房を形成し、晩秋に熟した実は黒色。

似たもの同士だが、このように違いがある。
この違いにベンサムなどのヨーロッパの植物学者が絡んでくることになる。

ヤマボウシの実 と 花

(写真)ヤマボウシの赤く色づいた実(6月9日)

(写真)実の林立


(写真)ヤマボウシの花(5月7日)

(写真)ヤマボウシの花の林立


5月初旬に咲いたヤマボウシの花は、といっても・・・
白い4枚の先がとがった花びらに見えるものは、花を保護する“ほう”で、
中心に球状にあるのが花(花弁、雄しべ、雌しべ)というから不思議だ。

6月になると、“ほう”が落ち、マッチの軸が林立するように、実が熟し始める。
秋には、さらにオレンジ色が増し、甘くておいしい実になるという。
完熟を食べたことがないので、チョッと期待しよう。


ヤマボウシ
・ミズキ科ヤマボウシ属の落葉高木。ミズキ属から分離。
・学名は Benthamia japonica Sieb.ex Zucc。(=Cornus kousa Buerg. ex Hance。)
・和名のヤマボウシは山法師で、比叡山の僧兵の白い頭巾に見立てて名がつく。
・原産地は、日本、朝鮮、台湾、中国などの東アジア。水はけのよい湿地の傾斜地などに自生する。
・樹高10mと高く、枝は鳥の足のように3つに別れ、その先に楕円形の淡い緑の葉がつく。
・5~6月頃に枝先に花をつける。
・4枚の白い大きな花びらが開くが、これは花びらではなく苞(ほう)。この苞の中心に淡い黄色の小花が球状に集まったものが花。
・秋には球状の集合果が紅色に熟し甘みがあって食べられる。
・枝はきめが細かく美しい。
・夏場に根元をマルチングし乾燥させないようにする。
・花、果実、紅葉が楽しめる美しい樹。
・剪定は11月頃行う。この時期には、来年の花となるつぼみをつけているのでこれを見分けてカットする。剪定をしないと花つきが悪くなる。


ハナミズキ(学名:Cornus florida L.)
ハナミズキはヤマボウシに花が似ているのでアメリカヤマボウシと呼んだ。
日本への渡来は、明治45年に尾崎行雄東京市長がアメリカ合衆国に桜の苗木を送り
この返礼として大正4年に日本に贈られたのが最初で、日比谷公園などにこれを植えたそうだ。
ハナミズキは準備がいい植物で、8月頃になると小さい擬宝珠(ぎぼし)のようなつぼみをつけ
来春の準備を完了させる。

ミズキ(学名:Cornus controversa Hemsl.)
日本の風景を形成している落葉高木で、樹高10mにもなり、枝は水平にそして階段状に広がる。
5月頃に新しい枝先に多数の白い小花をつけ、春風に揺れるさまは美しい。
ミズキ科ミズキ属で、日本のほか韓国からヒマラヤまで分布し、
湿気のある山野の傾斜地などに繁殖する。
ミズキの材はこけしの材料として最適であり、あの硬くて優しい感触は素晴らしい。

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