モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

イエローマジェスティ(Salvia Yellow Majesty)の花

2008-10-29 08:35:34 | セージ&サルビア
2mを超える身の丈、
薄緑色の1㎝角の太い枝、
手のひらサイズの大きなハート型の葉
耐寒性が弱いのに開花期が木枯らしが吹く直前と遅い、
など常識を覆すセージがあった。

サルビア・マドレンシスの園芸品種で、S.マドレンシス‘イエローマジェスティ’という。

花序が伸びてから2週間もたって開花した。
カナリア色とでもいうのだろうか? 
或いはちょっと明るいクリームイエローなのだろうか?

原産地のメキシコでは、松とかナラ樹林の下で木漏れ日に向かって伸びているというから
ひときわ鮮やかなカナリア色となっているのだろう。
光と影とのコントラストの中でのこのカナリア色は美しいだろうな~と想像できる。

(写真)イエローマジェスティの花


イエローマジェスティの歴史
メキシコを南北に貫く背骨が “シエラ マドレ山脈”で、アメリカ南部からメキシコ南部に至り、
山脈の東側を“シエラ マドレ オリエンタル(東方)”
太平洋側の西側を“シエラ マドレ オクシデンタル(西方)”と呼んでいる。

このシエラ マドレ山脈は、南アフリカケープ地方同様に植物の宝庫で、
標高で植物相が異なるから不思議な植物が多くワクワクさせてくれる。

イエローマジェスティの原種は、
東側の“シェラ マドレ オリエンタル”の標高1200-1500mのところに自生
この地帯は、パイン(松)とオーク(ナラ)が豊かなところでその下地の小潅木として生息していたという。
2mにならんとする草丈は、この生活環境から来ている。


1856年にドイツの植物学者でプラントハンターのゼーマンが発見・採取し、
学名は、サルビア・マドレンシス(Salvia madrensis Seem.)と命名した。

ゼーマン(Seemann, Berthold Carl 1825-1871)は、
ドイツのハノーバーで生まれ、19歳の時にイギリスに渡りキュー植物園で植物学を学び、
アメリカ西海岸、ハワイ・フィジーなどの太平洋、南アフリカ喜望峰、
メキシコ、ベネズエラ・ニカラグア・パナマなどの中南米を幅広く採取旅行をし、
新種347種を登録しているプラントハンターでもあった。

(写真)イエローマジェスティの茎と葉


イエローマジェスティ(Salvia Yellow Majesty)
・シソ科アキギリ属の多年草で耐寒性は-5℃と強くない。冬場は根元をマルチングする。
・学名は Salvia madrensis cv. Yellow Majesty。英名は Salvia Yellow Majesty。
・原産地・原種はメキシコのS.マドレンシス(S. madrensis)でこの園芸品種。
・S.マドレンシスは、学名がSalvia madrensis Seem.、英名がフォーサイシアセージ(Forsythia Sage)で、メキシコの Sierra Madre山脈で発見された。
・草丈2mまで成長するので、初夏までに摘心する。
・開花期は、10~11月頃黄色の唇型の花が咲く。
・5月頃株分け・さし芽で繁殖させる。


英名フォーサイシア・セージ(Forsythia Sage) の“Forsythia”は、
英国の園芸家ウイリアム・フォーサイス(William. Forsyth 1737-1804)に由来する。
フォーサイシア(Forsythia)は、モクレン科のレンギョウ(連翹)属のことをさし、
フォーサイシアセージは、レンギョウのように黄色いセージを意味している。

確かに、レンギョウの黄色は刺激的だが、

北アメリカ原産で、道路わきなどに群生しているセイタカアワダチソウの黄色も強烈で、
列を成したときに美しさがある。

【参考サイト】
・シェラ マドレ オリエンタルの風景(WWF、World Wild Life org)
http://www.worldwildlife.org/wildworld/profiles/terrestrial/na/na0303_full.html
・レンギョウ(ボタニカルガーデン)
http://www.botanic.jp/plants-ra/rengyo.htm
・セイタカアワダチソウ(ボタニカルガーデン)
http://www.botanic.jp/plants-sa/seawad.htm

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