モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

その80:江戸を歩く ⑤江戸の育種園『染井村』と「ソメイヨシノ」

2009-03-29 17:29:49 | ときめきの植物雑学ノート
底冷えがし春爛漫とはいかないが、最も見慣れているサクラの代表「ソメイヨシノ」がもうじき満開になるがいまはまだ2分咲き程度だ。

(写真)染井の里「ソメイヨシノ」の花


この「ソメイヨシノ」の誕生したところ、『染井』に行ってみた。
場所的には、JR山手線の巣鴨と駒込、そして王子あたりを結んだ三角形の中にあたり、神田錦町からスタートする本郷通りがこの中心を貫いて日光にいたる日光街道に合流する。

(地図)染井村界隈 by google


JR駒込駅を出ると本郷通りを越えたところに大国神社がある。この脇を通り染井通り
にはいる。染井霊園まで一直線の染井通りは、幕末の江戸に来たイギリスのプラントハンター、ロバート・フォーチュンの著書「江戸と北京」にも「そこの村全体が多くの苗木園で網羅され、それらを連絡する一直線の道が一マイル(1,609m)以上も続いている。」と書かれている。この染井通りがフォーチュンの通った道のようだ。

フォーチュンが日本に来た目的は、「日本の首都、江戸の郊外には商売用の植物を栽培している、大きな苗木園が幾つもある。江戸の身分のある人々は、全ての高度の文明人のように花を愛好するので、花の需要は極めて大きい。江戸の東北の郊外にある団子坂・王子・染井の各所には、広大な植木屋がある。私が江戸に来た主要な目的の一つは、これらの場所を調査することにあったので、時を移さずたずねることにした。」というように江戸の東北にある染井村は有名であったことがわかる。

現在の染井には、世界でも有数の苗木園があった面影は今はまったくない。
染井という名前すら消えつつあり、わずかに、六義園の駒込駅よりの入り口に“染井門”というのが残っている。

現在の染井を探索したが、丁度時期でもあり、地元のプロジェクトとして『ソメイヨシノ祭り』が開催されていた。
門と蔵のある広場で表彰式と記念植樹が行われ、西福寺の正面の広場でイベントが開催されていたが、西福寺までの道路の両側には「ソメイヨシノ」が花開いていた。

(写真)門と蔵のある広場

(写真)イベント広場


仕上げには、この時期にしか発売されない限定酒、芳醇辛口『染井櫻』を手に入れ、味わうこととした。

(写真)期間限定酒・芳醇辛口「染井櫻」

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