流れのままに。

いろんなことを好きに語っております。

食べるということ。

2007-07-27 16:25:18 | Weblog

今回僕は胃の2/3を切ったので、当然ながら胃の処理能力も激減したわけで、一度に食べる量は2~3歳の子供より少ないんじゃないのかと思う位。
しかもその量に30分以上掛ける。
そうしないと胃の処理能力が追い付かないばかりか、腸にも負担が掛かりすぐに下痢してしまうし、最悪腸閉塞も引き起こしかねない。

主治医の言い方だと「口の中で胃の代わりをさせるようによく噛む」ということになる。
これが意外と難しい。
大体柔らかくて消化のいいものを食べているのだから、噛むにも限度がある。
すぐに噛み応えが無くなってしまうのだけど、それでも唾液を多く出す必要があるのでしばらく噛んでいなければならない。
「食べる」という行為がこんなに難しく感じたのは初めてだ。
同時にとても大切なのだと気付かされもしている。
ろくに噛まずに飲み込んでいる方は改めた方がいいと思います。
カレーライスは飲み物じゃありませんよ!!

僕は今基本の3食プラス間食3回を病院の栄養士の指導で行っている。
お腹が空くからではなく、栄養-特に糖分が不足するからだ。
間食は本当におやつ程度である。
全体的に摂取カロリーは少ない。
それでも「お腹が空いた」という感覚は今のところ無い。
胃が小さいのだから当然といえば当然。
しかし身体が小さくなった訳ではないので、栄養は圧倒的に不足している。
この3~4ヶ月で10kgは体重が減っているはずだ。
これを戻すには多分数年掛かると思う。

不思議なもので最近はTVのグルメ特集なんかを好んで観る様になった。
好きなものを食べられないのだから避けて当然なのだが、どういう訳か観てて楽しいのである。
レポーターが美味しそうに食べてるのを観てると、何だか気持ちがいい。
ギャル曽根なんかが登場したらもう釘付けで観てる。
何だろう?
もしかすると疑似体験しているのかも知れない。
自分でも良く判らない心理ではある。

反対に以前は大好きだった医療関係の番組は観なくなった。
スーパードクターが出て来るやつだ。
以前はどこかショーを観るような感覚で観ていたのが、実際自分ががんになるととても他人事として観られなくなってしまったのだ。
患者の心情や苦しみが判ってしまうのだから、観てて辛くなってくるのである。
家族の苦悩や苦労まで手に取るように理解出来てしまうのだから、とても平然と観てはいられない。

とにかく今は僕にとって「食べる」ということが最大のテーマで、毎食毎食手探り状態である。
何を食べていいのか?悪いのか?
どれだけ食べるのがベストなのか?
どれほどのペースで食べればいいのか?
全てはお腹の状態を感じながら、おっかなびっくり食べているのが現状だ。
ともすれば以前の感覚で飲み込もうとするのを必死で耐えている。

ただ良かったのは実家に戻った事で、家族がメニューを細心の注意で考えてくれている。
僕は食卓について出されたものを量に注意して食べればいい。
食べたいものも支障が無い限り、言えばすぐに買ってきてくれる。
本当に家族とは有り難くかけがえの無いものだとつくづく思う。
もしかすると今回僕の最大の収穫は、その事に改めて気付かされた事なのかも知れない。

わがままだけは言わないようにしなければ!
追い出されては大変だ!!(笑)