流れのままに。

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本屋大賞について。

2015-04-11 13:10:55 | Weblog
今年の本屋大賞が発表されたね。
上橋菜穂子さんの『鹿の王』なんだけど
以前から高い評価を受けていた作品で
ああ、なるほどという感じ。

もちろん作品に対しての異論は無いんだけど
どうも書店員が一番売りたい本という選考基準を考えるに
既に100万部を売り上げた作品を推奨するのは
正しいのかという疑問があるかな。

本を売る側のプロが勧めるという本質を考えると
黙ってても売れる本を推奨するという行為に
プロとしてのプライドをあまり感じないんだな。
ただの人気投票に思えてしまう。

これなら書店員の投票じゃなくて、お客さんが投票しても
同じような結果が出るような気がする。
つまりプロが選考するということの意義が見えてこない。
これでは本屋大賞というものの存在意義にも疑問が生じてしまう。

なぜプロである書店員が選考するのかという意味を
改めて考え直した方が良いような気がするね。
もちろん無理に無名の作家の作品を推す必要は無いけど
もう少しプロらしい捻りはあってもいいと思う。

まあ世間的にもそう考えてる小説ファンは居るようで
毎年発表がある度に、批判も多く聞こえてくる。
要するにプロが売りたい本というキャッチに違和感があるので
本屋で人気投票しましたと言えばいいんだな。

あくまでも売る側のプロが選考することに拘るなら
もう少し「なるほど!」と言わせてほしいよね。
今のままだと、売れてる本をもっと売りたいで賞になっている。
これでいいのか?という話し。

埋もれた名作を発掘してこそだと思うんだけど、どうだろう?
それでベストセラーに押し上げる事になれば
それこそプロの面目躍如だと思うし
この賞の意義も高まると思うんだけど。

ただし、大賞はともかくとして
発掘部門で選考される作品には
なるほどと思わせる作品も目につくので
こっちの方が書店員らしい意義が窺えるね。

せっかく文学賞とは異なる選考メンバーなんだから
そこはらしさを強調してもいいんじゃないかな。