安倍、プーチン会談が及ぼす国家的威厳と決着
ロシアは、信用するに足りるか?
プーチンは、日ロの完全な正常化を明言しているが、北方領土問題は、古来ロシアの国有領土あると日本が北方領土返還が平和条約締結の扉だとする建前を認識しないと一蹴した。平和条約締結後、歯舞、色丹の2島を引き渡すと念を押した。急に、ロシアが強気に出てきたのには、ロシア国内の事情にも反映したものだ。訳は、外交がスムーズに行えるであろうアメリカのトランプ政権が誕生したことにある。ロシアは、日本はアメリカの傘下の国家で、経済問題を除けば、日本は、大した影響のある国ではないと踏んだからである。アメリカとうまくやれる和解ができると計算したロシアは、日本との外交を正常化する前にもう一度、出発点に戻る画策を練った。歯舞、色丹の2島の返還を彼らは譲渡と言っている。つまり、経済共同発展のために、譲りますよ、という返還とは程遠い言い回しで、煙に巻いたずるがしこい外交が目に見える。2島を返すといった日ソ共同宣言は1956年に決まった既成事実である。その枠内で決着をつけようとするのは、共産主義政権から何ら今のロシア政権が変わっていないことを意味している。北方領土は、国際的承認事項だと言い切っているのある。
日ソ不可侵条約を、こともなく破って日本に侵略を開始したソ連、ロシアは信頼するに値する国なのか。日本は、もう一度、太平洋戦争の前後をしっかり勉強する必要がある。安倍とプーチンは、信頼しあえる政治家と評されても、国家代表となれば、別人格であろう。
日本は、ロシアに負けないしたたかな外交を演じるべきである。2島返還で、どのくらいの国の価値になるのか、はっきり、感情論ではなく、合理的観念で対処するのも手だてはないのか。ウクライナを支援をした日本、アメリカと一緒に経済制裁を実施した日本、日ロの和解が、国際間に及ぼす影響は、どうなるのか、日本にとっても、重要な会談であろう。記者は、ただ、慎重に、したたかに、粘り強く、反発は必至の外交も独立国家の使命と思料する。
日本時事新聞社
古賀剛大