日本の壊れたゴルフをどう、立て直すか、 癌細胞に侵されたゴルフ界の憂鬱
ゴルフ3極の世界と言われた日本、アメリカ、ヨーロッパと競り合うはずのゴルフが、現在、完全に壊れている。何とか、アマチュアの存在があるものの、未来志向の教育が、置き去りにされてきた結果、クルドサックから抜け出せないジレンマがある。プロの世界も、日本が、昼寝している間に、いうの間にか、その存在が希薄になっている。バブル後20年間、賞金額は、変化はないが、スポンサーは、あまり、魅力を感じなくなっている。スポンサー離れは、TV報道が、数少なくなってきた状況を見ても、ゴルフファンは、理解しやすいだろう。なぜ、衰退したのか、なぜ、がん細胞が、ゴルフ界全体に拡散したのか、をゴルフ関係者は、反省と進歩に躍起にならねばならない現在である。
まずは、ゴルフ界の団結が、乏しく、12団体が、口こそ、揃えて、前進を叫ぶが、表面だけの結合で、実際は、整然とした団結はない.危機を感じて、有識者によるシンポジュームも開催されているが、そこに、12団体の代表者たちの顔はない。つまり、おのれの城を守るのに、きゅきゅうとしていて、他人の城に入る余裕がないし、積極的行動をしないのだ。ゴルフを職業としているプロは、なおさら、杞憂を感じて、不安のスパイラルから、抜け出せない。
今日は、プロの世界を表題としよう。男子の世界は、ゴルフ進歩の過程で、アマチュア界からプロに入り、貢献があるマッシーこと、倉本昌弘がPGAの会長になり、意識改革を叫んで、シニアの部門で、涙ぐましい努力をして共感を得ている。このたび、記者は、富士フイルムシニア選手権の取材に入った。もちろん、国家的貢献をしている世界の青木 功(27年、国家勲章授与)がホストになり、盛り上げているトーナメントである。昨年、8000人台であった観客も、今年は、初めて一万を超えた。スポンサーは、お客の反応に敏感だ。富士フィルム企業も、8回目のスポンサーであるから、このトーナメントで、受けるメリットを計算に入れてのことだろう。富士フイルムのことは、別として、スポンサーは、宣伝効果があるか、否かで、冷静に分析しての結論をだす。
女子プロも長い間、血の出るような努力で、現在の人気を保っていると考えるが、昨日の世界戦の一部の賢島近鉄のトーナメントを見ても、驚くべき日本女子プロのゴルフ技術の低迷が、表面に出ている。日本ツアー選手だけのトーナメントでは、若手選手の台頭が著しいので、世代交代があるように見てても、実際はアマチュアに押されて、進歩していないのだ。LPGA。USツアーのTOTOJapanでは、上位20人の中、日本選手は、二名で5位までに誰もいない。
国際的になったといえば、それまでだが、スポンサーはどう解釈しているのであろうか。富士フイルムシニア選手権で、いみじくも、大会を主催する古森会長が、本音を吐露した。「トーナメントは、外国人ばかりが勝って、寂しい限りだ。日本の選手が、もっと頑張ってほしいものだ」とね。それじゃー記者の関係するデヴィッドラッセルが勝利したこの大会では、あまり、歓迎されていなかったのだ、と悟った。世界的企業の富士フイルムにしても、苦情にに近い叱咤激励をしているのだから、もっと、勉強が必要だと肌に感じた。つまり、企業としては、スポンサーとしての宣伝価値が重要なポイントなのである。
倉本PGA 会長が、挨拶で、「来年も、富士フィルムがこの大会を開催してくれると、古森会長の言葉をいただきました」といったときは、やはり、スポンサーを継続するかどうかの議論があったのでは、と察する。やはり、相当に、トーナメント開催のスポンサーをするのは、難しい時代になっているのだ、と考えてしまう。おそらく、松井 功、倉本昌弘、青木 功の連携で、このトーナメントの継続をスポンサーと辛抱強い交渉があったのであろう。
本来は、我々が、スポンサーを磁石のようにひきつけ、選手を招待して、トーナメントを開催するのが、本筋であろう。マスターズのようにだ。青木功や倉本に、汗をかかせるのは、筋違いではないのか、と。 (古賀剛大)
日本時事新聞社 提供 2015 富士フイルムシニア選手権 未来の選手たちと。
ゴルフタイムス 取材班
この大会、二度目の優勝を果たした渡辺 司 選手、1400万円の重さで、にっこり。司選手、おめでとう。師匠の前での勝利。
トーナメントの優勝者が、外国人ばかりで、寂しいかぎりである。日本の選手は、しっかりしてもらいたいと、叱咤激励する富士フイルムの古森大会会長の言葉は重い。記者も古森を人物として、認めている一人だから、小林陽太郎亡き後、ゴルフ界を隆盛にする一人と思料する。優秀な企業の代表者の応援がなくては、成り立たない日本のゴルフトーナメントである。あえて、古森会長の写真を日本時事新聞社より、特別に掲載をした。その顔は、未来を見据えて、なくてはならない存在だ。
取材班、チーフ 記者 古賀剛大