● 砲塔内部の戦車砲
Ⅳ号戦車の砲について、その特殊な部分について解説します。
Ⅳ号戦車の設計は古く、当初は短い砲身の主砲が付いていた事は以前述べました。
3名の砲塔内の乗員で操作し、塔内にバスケットを設け砲塔と一緒に旋回できるなど
当時としては先進的な機構も備えていましたが。
図で見るように砲のすぐ後ろに車長が座っていた為、砲本体はかなり前方にあります。
そのため主砲の大型化に限界があるのです。
理想的な砲とターレットリングのレイアウトは中段のパンターのような物になります。
砲本体の後ろに弾丸を装填し空薬莢を排出するスペースがあり、バンパーと薬莢受け
があります。
砲の発射後、オートマチックで排出された空薬莢はバンパーに当ってストップ。下の
薬莢受けに落ちます。多くの戦車がこの配置を取っています。
ところが上段のケーニヒス・ティーガーの機構は少し異なっています。長大な88mm
砲を砲塔におさめたため、砲の後端がターレットの中心線よりかなり後方へ来ています。
これでは排出された空薬莢を下へ落とす事が出来ません。薬莢はバスルへ、あるいは
その向うの車外へ出行くのです。
この機構が、ターレット径を当初予定されていた2mから1850mmへ絞る過程で生み
出された物かは不明です。 Ⅳ号Kにはこの機構を取り入れることでL70の装備を考えました。
● Ⅲ号戦車の改造
おまけです。Ⅳ号に適用した改造要領でⅢ号戦車も改造してみました。
Ⅲ号戦車はⅣ号戦車とほぼ同時期に計画された戦車で、車体の規模も内部のレイアウトも
非常に良く似ています。しかし、主力戦車として計画された為、より高性能な走行装置をもって
います。もし、Ⅲ号の主砲をⅣ号と同じ長砲身75mm砲に換装できれば、軽戦車として有用
な車両になったのではないかと思われます。
左は実際にあったⅢ号L型です。Ⅲ号戦車はN型まで作られ、最後の型は短砲身の75mm砲
を装備していました。そこで、砲の後方のスペースと重量バランスを何とかすれば長砲身化はさほど
難しくないと思うのです。
ところで、Ⅲ号の型番はKと I が欠番です。これはⅣ号と同じですので、なにか意味があってのこと
かと思います。例えば、名称を表記した時にアルファベットの混同を避ける為です。ドイツでは戦車
の型番を PzKpfw Ⅳ などと表記します。Kや I は筆記で紛らわしいからかもしれません。
Ⅲ号の改造については機会があったら、また突き詰めてみたいと思います。
- PS. Ⅲ号戦車にはK型が存在しました。改造によって指揮戦車になったものがそれです。
始めは備砲を木製ダミーに変え、作戦テーブルと通信機を備えたものでしたが、後に
Ⅳ号戦車の砲塔を乗せ、発射できる50mm砲も備えたものに発展しました。
Ⅳ号戦車にも指揮戦車型が存在するそうですが、型番はまだ不明です。 2009.1.23.
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