工房 十一椿(toi tsubaki)

久留米絣や 大島紬など 着物を使って洋服やバッグなどの製作・販売を行っています。

お気に入りのジャケットをベストにリフォーム

2020年06月07日 | 二っと・化繊etc~~洋服

お客様の想いでのジャケットをお預かりして

ベストに作り直しました。

 

 

 

元の形は・・

 

 

こちら。

厚い肩パットの入ったジャケット。

お客様がお仕事をバリバリこなされていた頃の思い出の一着!

 

・・っで 肩パットを外し 袖を外し・・

ジャケットのゆとりが多かったので 仮縫いで

肩と脇シームをつめ・・

 

 

袖繰りは、とった袖からバイアス布を取り

バイアス始末でしあげています。

 

後ろは・・

 

 

こんな感じ。

 

何年何十年 経っても 捨てられない一着ってありますよね。

 

このベストが新しい一着として 末永くご愛用いただければ幸いです。

 

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今日、友人から

 

「ひさしぶり~元気?○○ちゃんがラインしても既読にならないって

心配してたよ~・・。

 

っというメールがきました。

 

独立して自営で仕事をはじめて 早9年。

 

友人たちは その前職で一緒に働いていた同僚たちです。

 

今、私が 久留米絣で仕事をするようになったのも

この前職・和のお店が 久留米絣の洋服を扱うお店だったからです。

 

もし・・このお店に勤めなかったら

 

着物も久留米絣も知らないまま・・

今のこの仕事もやっていなかったかも・・。

 

 

九州の端っこの某テーマパークのテナントだった

久留米絣を扱う”和のお店”に

洋裁教室の講師として勤め始めました。

同時に オリジナル商品を作りながら

一年がたった 2011年 3月・・

東日本大震災が起こりました。

 

震災後、一斉に 海外からのお客は途絶え

国内も自粛ムード・・で 客足は遠のき・・。

テーマパーク内は 人っ子一人通らず 日々 売り上げは・・ゼロ。

 

当然・・経営は傾き

それに加えて 高齢の社長が突然亡くなり

 

テーマパークのオープン当初から約20年続いていたその和のお店は

その年の8月いっぱいで・・閉店しました。

 

 

その時の同僚たちは それぞれ 違う道を歩き出し

私は、自営で工房としてやっていくことにしました。

 

あれから 9年・・。

お互い一緒に働いたのは 1年ちょっとですが

今でも、年に数回 近況を確かめ合っています。

 

9年の間には それぞれいろんなことがあり

一人は、孫が6人でき

一人は、それまでとは全く違う職種につき忙しい職場で日々奮闘中

そして・・私は 去年 体調を崩し生き方を考え直し・・。

 

振り返れば あっという間ですが

9年の月日は それなりに 

一言では言い表せないほどの長い時間です。

 

震災後 仕事を失い 

新しい道を歩き出さなければならなかった私たちですが

それぞれ 今を元気に過ごしています。

 

お互いが 「元気~?今度ランチ行こうね~」っとメールをやり取りできるくらい

今を しっかり生きている!ということなんだと思います。

 

 

世の中を揺るがす出来事はこれからもたくさん起こると思います。

毎年毎年・・記録を更新していく災害にただ怯えるばかりですが

それでも 毎日毎日 時間は過ぎていく・・

何をしていても・・何もしなくても・・。

 

「コロナが落ち着いたら ゆっくりランチ行こうね。」

 

そんなメールを交わしながら

 

いつでも会えると思うと 結局 なかなか会わなかったりするのに

すぐに集まれないと思うと 無性に すぐ集まりたくなる。

 

不思議なものです・・。

 

「コロナが落ち着いたら・・」

 

今度こそ 尽きない話を延々としたい・・。

さて・・何年前から遡ろうか・・??

 

 

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