十勝の活性化を考える会

     
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特別寄稿 2/5 平等とは・・・

2019-12-08 05:00:00 | 投稿

脳出血した障害のある人は、以下のように言っています。

 

西欧とわが国の「平等」の捉え方が違っていて、西欧ではキリスト教思想の「神の前に平等」が基本になっています。障害の有無に係わらず、人として「平等」は当たり前ということが徹底しています。

日本国憲法でも第14条に「法の下の平等」が保障されています。わが国の「平等」は、国家が人を区別して、ある人を特別有利に扱い、逆に不利に扱わないと解していますが、憲法解釈では、西欧のような絶対的平等ではなく相対的平等であることが、判決等で示されています。つまり、国家や司法は合理的な理由があれば、人と人とを異なって扱うことも認めています。

 

法律で定めた障害者という区分は相対的平等であり、これを「合理的区分」といいます。他方、西欧の「平等」の考えは、絶対的平等になります。では何故こういうことになるか、それは憲法第25条の「国家が責務として、国民に施しを与える」という解釈のもと、属人的カテゴリは、障害者を保護するために重要になるからです。

しかし「どう生きるか」は、法律問題ではありません。自分で考え、自分で決めることが重要です。

 

「平等」の捉え方も、「人権」と同様、西欧とわが国では大きく違っています。一つの例として、誰でも1回は行ったことがあるTDLの例を紹介します。これから説明する、「配慮」はするが「特別扱い」はしないという点は、これからの障害者支援を考える上でヒントになります。

 

わが国の多くのレジャー施設では、各障害者手帳を提示すると入園料が割引になります。TDLでは障害の有無に係わらず「人」は人とし、平等の精神のもと入園料の割引ではなく、代わりに障害のある人及び疾病や負傷等による体の機能が低下した人を対象に、ゲストアシスタントカードを発行する誰でも利用し易いが徹底し不便の解消を心掛けています。

 

ここで注目する点は、障害者手帳がなくても機能低下している人に対応している点です。これが本来の「合理的配慮」の考え方です。障害者手帳を提示することで、割引を受けることは、「配慮」ではありません。単なる「特別扱い」(施し)になります。同じアメリカ系のUSJは、障害者手帳を提示することで、障害者割引を受けることができます。逆に障害者手帳の提示がなければ割引を受けることはできません。

 

<米国では、「障害者」、「社会的弱者」という表現はない>

欧米では、わが国でいう「障害者」(属人的カテゴリ)という表現はありません。それと連動し「障害者」=社会的弱者という概念もありません。米国において人権はあくまでも「人」に焦点をあて、人間には同じ権利があることを、自ずと障害のある人を社会的弱者と考えていません。「弱者」と言おうものなら差別になります。

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注) 合理的配慮

 合理的配慮とは、障害者から何らかの助けを求める意思の表明があった場合、過度な負担になり過ぎない範囲で、社会的障壁を取り除くために必要な便宜のことである。

 障害者権利条約2条に定義がある「合理的配慮」とは、障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものである。 

(出典:『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋)


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