やっぱり苫社協~苫小牧市社会福祉協議会日記~

社協行事の案内や報告、
職員が思ったことや感じたことなどを書いています。

「自立」について考えるきっかけ

2012-06-07 18:37:58 | 雑件

 昨日、仕事で札幌に行く機会がありました。

 小雨の降る天気だったんですが、やはり苫小牧に比べて暑かったですね。

 特に室内は蒸し暑かったです。それに比べて苫小牧は寒いなぁ。

 

 先月から、ある芸人さんの家族のことがきっかけのようですが、生活保護のあり方について、全国的に話題になっています。国会議員も含めて議論になっていますね。

 そんな話題に影響されて、こんな本を買って読んでみました。

        

 生活保護制度の歴史的な成り立ちから、現状での課題や問題、またこの制度はどうあるべきか、先進的取り組みとして釧路市の自立支援プログラムが紹介されていました。

 生活保護という制度の理念の中で謳われている「自立」というものを考えさせられました。

 やはり現状の課題として、景気悪化による生活保護率の上昇に伴って当然保護費が増える。その増える保護費を負担するのは財政が悪化している国と地方なので、結論として払える「金がない」に行き着くのかもしれません。

 そのために本来ありえないんですが保護費を抑えるための「水際作戦」とか「硫黄島作戦」なんていうのがあるのだそうです。どんなものかはここで書きませんが・・・本来の国が国民の生活を保障するということが揺らいでいるのか?と考えさせられました。

 また、いま話題になっている申請者の子供などを扶養義務者として、援助を要請することが保護制度の原理のひとつなんだそうですが、そもそも昭和25年にできた制度だし、60年以上経っているし現在の社会情勢にマッチしていないところがあるのでは?と感じます。

 読んでいる中で、今回の騒動に関連するような国の通知内容があったのを見つけました。

 

  2007年9月6日、厚労省は生活保護関係全国会議で、▽扶養義務者などを理由に申請書を交付しないなど、法律上認められた保護の申請権を侵害しない (中略) 各福祉事務所へ通知した。(本田良一著「ルポ 生活保護」P100より引用)

 

 いまの騒動で問題にされている「子供は扶養すべき」「扶養しないのは不正なのでは」という風潮とは反対のことが約5年前に国から通知されていました。

 対象者は「自立」するためにいろいろな制度を利用するんですが、経済的自立を支援する制度である生活保護って利用すると自立じゃとはみなされないところがあります。保護を受けている本人もうしろめたいと感じている人が多いように思います。

 経済的な自立がされないと自立じゃないということでしょうか。難しいです。

 うちの社協でも「日常生活自立支援事業」を行っていますが、その名のとおり日常の生活の自立を支援する事業です。

 もちろん保護制度の自立とは少々違いますが、「自立」とは何かを考えるきっかけになりました。

                                                     重たい(さっく)

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