手話サークル仲間のTさんから「チェーンをつめてほしい」と頼まれた。
チェーンがたるんでチェーンケースに当たって音が出るためだそうだ。
用意した工具
+ドライバー、チェーン切り、針金(チェーンをカバー内に引き込むときに使う)、ラジオペンチ、ウエス、CRC5-56、パーツクリーナー、スプレーグリス、パレット(チェーンを入れて洗浄する)
ペダルを回してみると、なるほどチェーンがケースの底に当たっているようだ。
チェーンケースの後ろ側とクランク部分のふたをはずし、マスターリンクのクリップを探したが見つからない。えっ? クリップの無いチェーンは初めてだ。
下の写真は通チャリ2号のもの
マスターリンクとクリップ
(下の棒は内装3段変速機のギヤを切り替える棒。)
チェーンを1コマ外した。
内リンクと外リンクがペアになって1コマと言う。外すことのできる最小単位はこの1コマ。
チェーン伸びというが金属が延びるわけではなく、実際はピンが摩耗して直径が細くなり、隙間が広がってチェーン全体として長さが伸びる現象だ。
ところが1コマ外したら短くなりすぎてクランクギヤにはまらない。
チェーン引きを緩めて後輪を前へ送ろう。
後輪の車軸ナットを緩める。
少し前へ出た。ちょっと固いが無理やりクランクを回してチェーンをはめる。
入ったには入ったが、クランクを回すと相当固い。
チェーン引きをもっと緩め、後輪を前へ押し出す。
タイヤの前側の左が泥除けに当たっている。チェーンもカバーに当たっている。
あれ!! 左側にもチェーン引きがあった。これを緩めていないからだ。
この自転車は両側にチェーン引きがあったのだ。
下の写真2枚は通チャリ2号のもの(Tさんの自転車の写真は撮らなかった)
通チャリ1号も2号もチェーン引きは右側に一つあるのみ。
左側にチェーン引きは無い。
(通チャリ1号も2号も内装3段変速は左側から操作する。ピンもただの棒で、Tさんのママチャリのようにスプリングは付いていない)
Tさんのママチャリは、両側のチェーン引きを緩めると車軸はまっすぐに前へ出て、泥除けに当たらなくなった。また車軸ナットを締めていくとチェーンカバーにも当たらなくなった。
車軸を目いっぱい前へ出したので、クランクもスムースに回るようになった。
チェーンにスプレーグリスを吹きかけ、ブレーキなど各摺動部分にもグリスまたはCRCを吹きかけ、ブレーキ調整をしてメンテナンス終了。
おっと、チェーン引きのナットを緩めたままだった。
ん? もしかして駒落としをしなくても車軸を後ろに目いっぱい伸ばしたら、チェーンカバーには当たらなくなったかも?
トンサンは今までママチャリ2台・通チャリ2台・子供車1台をメンテナンスしたが、このママチャリはそれらとは違う部分がいっぱいあった。いい勉強になった。
ブレーキ鳴きはバンドブレーキなので直せなかった。ローラーブレーキなら無きを止めるグリスがあるのだが。