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満鉄調査部の下巻を読んでいます

2016-04-01 05:02:22 | 日記
 満鉄調査部の下巻を読んでいます。満州事変が起こり満州国が成立した後の諸々を読んでいるところです。

 上巻を読んでいる時にも書きましたが、この本は満鉄調査部の活動に絞って書かれたものではなく、縦軸に満鉄調査部をおきながら日本と満州や中国とのかかわりについて書かれています。学校では関東軍が満州事変を起こして満州国をつくりリットン調査団が調査して、国際連盟から脱退したぐらいしか教わりませんが、満州国成立の様子も細かく書かれています。私も初めて知ることばかりです。

 学校で教わるように、満州国はあたかも関東軍が全部筋書き通りに事を運んで成立したと思われがちですが、実態は事を起こしたはいいけれどもまず金がない。当然政府が事を起こすように決めてから事変を起こしたのではないので、政府からの資金の援助は初めはありません。行動が追認されてから初めて国家からの資金が得られるわけです。

 それから事件を起こすことから満州国の成立までストーリーがもともとあったように思われがちですが、実際には事件を起こしてエスカレートさせる計画はあっても、その先までは考えていなかったことを知りました。関東軍、満鉄、いろいろとかかわった日本人や中国人などなどが入り乱れて動いていたことが分かりました。その後関東軍に徐々に支配されていき、日本からも官僚が送りこまれるようになり、満州国そして満州帝国が日本人の支配下に管理されていく様子が描かれます。

 その流れに国策会社である満鉄も翻弄されることとなります。当時の満鉄のトップたちにとっては大変な状態だったようです。満鉄は鉄道だけではなく、色々な産業ももっていましたから、分割されてしまうという状況にもなり、かなり混乱したようです。鮎川義介の日産財閥が乗り組んでくるところでのやりとりも描かれていて、これも関東軍の意志で行われたように思っていましたが、結構綱渡り状態で進出したのが実態だったのを知りました。

 ということで、あと残りがわずかまで読み進んでいるところですが、この本で満州と日本のかかわりについて改めて考えさせられました。