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高知のmisaさんとの半年前の約束。「新緑の頃の八方ブナを見に行こう」をやっと果たせた。
(もう新緑とは言い難い季節(入梅)になってしまったが)
でも、あの頃、私たちの物語の主人公は、山登りを始めたばかりの愛すべきキャラクター、ホッホさんだった。
その主人公を残念ながら、今回は欠いてしまった。
物語の中を流れるゆるやかな時間と日々の暮らしの中を流れる忙しない時間は、往々にして齟齬を生じる。
ホッホさんの代わりと云っては何だが、私やホッホさんの画学生時代の後輩である津守工房の津守さん夫妻を誘った。
さて、森の物語の幕は上がります。
朝の幹線道を走り、山あいへと道を進める。
見上げる高い山の稜線は雲に覆われている。
長い県境のトンネルを抜けて高知県に入ると、眩い青空が広がっていた。
そう云えば車中、津守さんと「信州の峠を抜けると、とたんに風景が一変することがある」
なんてモーターサイクル・ツーリングの思い出話をしていたような…
(津守夫妻もモーターサイクル愛好家だったらしい)
こういう風景の記憶を呼び覚ますような現象を何というんだっけ?
デジャヴューとも少し違うような…
野地峰登山口に9時過ぎ到着。
すでに到着していたmisaさんたち高知の皆さん3人と合流して、いざ出発。
「私は晴れ女だから大丈夫」と言い切っていたmisaさんの言葉通りピーカンの空。
「暑くなりそうね」、「この季節、虫が多いから虫対策は忘れないで」
と出発前のウォーミング・アップ。
しばらく快調に歩いているが、どうも腹具合がグルグル怪しくなってきた。
最近、麦酒の摂取量が過ぎるかな?
「この先、一本道だから…ごめん。先に行ってて。」
案内人の私が、早くもペースを乱して離脱。(この先、2回も)
入梅時期の蒸し暑い一日を覚悟していたが、思いのほか、カラッとした爽やかな一日。
適度に木陰があり、時折、身も心も蕩けそうな涼風が吹きぬける。
特に野地峰からの尾根歩きは、陽射しに晒されペースダウンを予想していた。
ところが、その行程のほとんどが灌木に覆われた木陰を歩く、しのぎやすいアップダウン。
「でも大丈夫、ホッホさん。津守夫妻もmisaさんも、最後のアップダウンで2回くらいは死んでいるから(笑)」
この奇跡の樹を、みんなに見せたかった。
「わぁぉ~」歓声が湧き上がる。
こんな巨大な樹と森で出会うと、誰だって言葉を失うよね。
本当に何度訪れ、対面しても原初的な畏怖の感情が静かに満ちてくる生命の樹。
マザーツリーMother tree という呼称は、この樹のためにあるって実感する。
たっぷり樹の放つ命の気を頂いた(笑)
一時間くらいMother tree の森で過ごした。
さぁ、帰ろう。
私とmisaさんもお遍路の旅の途上以来、一年ぶりの邂逅。
風景写真フリークスの森における邂逅は化学反応を生じる。
お互いの視た風景を交換し合う。
同じ対象を視ても、カメラが切り取った世界は別物。
これは面白いよね。
切り取った世界を液晶に再現し、浮かび上がる画像に目を見張る。
「好いね。面白いね。あぁ、綺麗だ」
misaさんと私の自然を見る脳のシナプスが交換して青白いスパークを放つ。
青い発光ダイオードに色めくような写真世界の化学反応(笑)
さて、ここに掲載した写真のなかにmisaさんの撮影したものが3点あります。
どれだか、わかりますか?
そして森の贈り物は、艶々の赤と黄色の野苺でした。
甘く熟した野趣が口に広がります。
山は良い。雨でも風でも雪でも・・・自然の中に自分を置いて考える。津守さんご夫妻も良い時を過ごされましたね。返す返すも残念なのはホッホさん・・・バテる報告が聞きたかった。(笑い)
全部綺麗な画像ですね~。
私も10日に県東部へ杉の巨木群を見に行ってきましたが、神々しいその姿に圧倒されました。
ランスケさんやmisaさんのような写真を写せるようになりたいのですが、まだまだ修業が足りません。
misaさんの画像は緑の背景に小さなキノコが二つあるのと縦長で女性が八方ブナを見ている画像、ツタの葉を写している画像かな~?
いつも嬉しいコメント有難うございます
最近出先でmisaで頷く人が増えたのにはビックリ
さすがランスケさんは知名度が高いようです
残念ながら一枚だけ正解です
ただ野苺の演出はmisaであることは申しておきますね(こういうの得意分野)
ランスケさんとは幾ら話しても飽き足りません
お互いの画像を確かめ合いながら被写体の光を探りながら楽しい時間を過ごせました
この元気なオバサンは今日も半日散策でした
そして、帽子がよく似合う山男?のお二人さま
お疲れさまでした。
仕事の都合で不義理をしております。
まだ、暫くこの状態が続きそうです。
鬼城さん、残念ながら仕事でバテてます。
山に登らなくても臨死状態です。
緑に染まる初夏の野地峰の写真に萌えました。
数少ない経験でも山の良さは分かってます。
何時か、皆さんと一緒に登れるのを楽しみにしてます。
樹の持つ、はかり知れない生命力を写真に表現することは難しいです。
それでも、この地球上で最も長い時間を生きる生物種を撮ることが、
そして森が育む命の営みを撮り続けることが私のこれからのテーマだと強く意識しています。
日本の森文化の原型は、縄文期の東北の森にあるようです。
1万年前の日本では、照葉樹林帯の西日本よりもブナ樹林帯の東日本に豊かな暮らしと文化があったと知りました。
未だ6月の東北の高嶺は残雪が多く、山上は冬の佇まいが色濃い様子。
それでも中腹辺りの雪解けの森は、ブナの萌える若葉が見られ、いっせいに花々が開花していると聞きます。
これこそ私の望む生命の輝きかもしれません。
稜線上の避難小屋利用かテント泊を考えています。
さてノートPCを持ってゆくかは思案中。
水滴の虹彩のあとの美しい緑の光のなかの小さなキノコと八方ブナを覗き込む津守夫人の後ろ姿、そして最後から2番目のキノコの写真がmisaさん撮影です。
彼女は、とても感受性豊かな写真表現をされる人です。
どんな表現も最初は模倣。
しっかり、その表現法を身近で学んでくださいね。
夏の皿ヶ峰での邂逅を楽しみにしています。
本当に楽しい時間でしたね。
こういう刺激的な感受性の交換は、目が覚めるような新たな視野を開かせてくれます。
さて待望の東北の森や山へのアクセスが、思いのほか悪そうです。
登山口までのバス運行は梅雨明けの夏季シーズン中に限定される様子。
その上、山上はまだ残雪が多そうです。
でも、この雪解けのシーズンじゃないと観られない風景が、とても魅力的。
もう後は、お遍路のときも課題だった、いかに荷物を少なくするか(笑)
どこかで私のように見切りをつけて身軽になってください。
責任の重い経営者と気軽な従業員では、ずいぶん立場も異なるでしょうが。
老後の安心とか安定に拘泥していると前に進めません。
この世界に不変のものなんて無いことを自覚すれば怖いものなんてない(たぶん)
まぁ怒れるオヤジは、一歩踏み出すことにしました。
この先、何度もズッコケそうだけどね(笑)
おかげさまで、浮き世の憂さを暫く忘れることができました。(下界に着地するまでですが…)
この時期に 晴天で湿気が無く涼風が吹くなど 二度と無い様な好コンディションで 水先案内人付き。
気まぐれにしか山に行かない私達にとっては最高の山登りでした。
八方ブナは神々しい姿でしたが、彼にとっては人に発見されず朽ちてゆくのが一番ではなかったかと思ったり、そういう擬人化をする愚かさを自嘲したり…。
捻くれ者ですね。
貴重な体験をさせていただき感謝しております。
また宜しくお願い致します。
日曜は梅雨の谷間のような貴重な晴天でしたね。
津守くんと話していて、ふっと合点がいったことがあります。
彼は会話のなかに「あらっ?」と思いがけないユーモアを交える。
これはTVのバラエティ番組からの受け売りの金太郎飴のような、みんな同んなじ定番ジョークじゃない。
確かに彼の云うように自嘲的で、あまり一般受けしないかもしれない?
だから皮肉屋のフランス人あたりには受けるのかもね(笑)
はは…また話が逸れてきた。
村上春樹の作品のなかで頻繁に登場する、あの理屈っぽくて自嘲的なユーモアと同質のものを感じました。
「何?それ」と孤高の自我を抱える少女たちの冷たい視線にさらされるアレです(笑)
でも結構、物事の本質をついているので辛辣で痛快な着地点かもしれない?
津守くん、私はあのウィットとユーモア好きです。