Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

Walk on

2014-02-20 | Walk on

 

ポカポカ陽気に誘われて、引き籠り爺さんは、お外に散歩に出かけました。

 

身体が思うように動かない日々が続いた。

意識と連動するはずの身体が、神経細胞がスパークして電気信号を送っても作動しない。

青白い閃光がショートして、ぷすぷす不完全燃焼している様子が目に浮かぶようだ。

普段は、当たり前のように手足を動かしているのに、

その機能が損なわれると、とたんに何もかにもが繋がらなくなって来る。

このチグハグさが、ある種の覚醒へと導く。

心と身体は、ひと繋がりの駆動体。

我がままな脳が、すべてをコントロールしているわけじゃない。

 

例えば、発達障害のある子供たちを更生へと導くレッスンは興味深い。

頭のてっぺんから声を出して天井へぶつかって跳ね返り相対する相手に言葉を伝えるとか、

身体全体を使って、意志の伝達の色んな可能性を実感させてゆく。

平田オリザが演劇的手法からコミュニケーションの実践に導いたように、

ここでも、演劇における身体性が、閉じられていた意識の流れを啓いてくれる。

脳が末端の身体を動かすのではなく。

末端からの様々な情報が脳と連動して身体全体を動かしている。

このパースペクティブな一体感が、人という身体を造っていると想像すると、

なんだか、とても幸せな気分になってくる(笑)

沸々と、身体の内から気力が漲ってくるようだ。

 

運動をするとセレトニン・ニューロンが活性化して脳の老化を防ぐというじゃないか。

さぁ、二週間ばかり家に引き籠って、閉じていた意識を啓けよう。

お爺さんは、朝からカーテン越しに射す陽光に誘われて、

よっこらお外に散歩に出かけました。

風は、まだ冷たいけれど、降り注ぐ陽光はポカポカ柔らかい。

たっぷり陽射しを浴びて、河原まで。

さて次回は、もっと距離を延ばしてみよう。

V・ヘルツォークは恩師に会うためにミュンヘンからパリまで歩いたと云うじゃないか。

人の運動機能の基本は歩くこと。

しばらく動力に頼らないベーシックな運動機能を楽しんでみよう。

 

 


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6 コメント

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心配です・・・ (鬼城)
2014-02-21 08:58:56
 遅ればせながらお見舞い申し上げます。
 事故に遭われたとか?歩くことの意義は私は今から12年前の入院から思い始めました。脳の働きなどの効果はそれなり(笑い)なんですが、気持ちが高揚します。それと車社会と違った目線の景色が見えてきます。
 山での怪我、今回の事故、ゆっくり治療されて石鎚便り期待しています。
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リハビリを兼ねて (ホッホ)
2014-02-21 12:32:23
やっと活動し始めましたか。

ランスケ散歩いいじゃないですか。
日々の徒然に、花や、生き物に、そして自然、身体の
こと等、リハビリも兼ねて(気楽に)詩情豊かなエッセイーのブログ記事楽しみ(思わぬ発見等)です。
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不便なことの効用 (ランスケ)
2014-02-21 13:09:58
鬼城さん、ありがとうございます。
お互いに身体機能を損ねてこそ分かる有難味ですね(汗)

事故は身体の左側を車にぶつけて撥ねられたようです。
足の痛みは10日くらいで癒えて歩行可能になったのですが、
左肩を車体にぶつけたようで、肩の痛みが取れません。
肩が上がらない腕が廻らない…
まるで五十肩ですね。

また事故後の二週間、家に閉じこもって本の読み溜めでした。
でも、いくら新たな知見と出会い脳が活性化しても、
身体機能の伴わない知識の吸収は、消化不良のストレスをため込むばかりでした。

そんな時に読んだのが、竹内敏晴の名著、「ことばが劈(ひら)かれるとき」でした。
私たちは、身体の歪みや心の抑圧によって、様々な機能障害を起こしていることに気づかされました。
演劇における身体性(所作や発声)や野口式の整体法を応用して、
体幹の歪みを正し、言葉を伝えるための身体機能の活用を目の当りにしました。
久しぶりに目から鱗の体験でした(笑)

ここでも他者の所作に同調するミラーニューロンの活用が記されています。
(この本は75年発行なので、まだミラーニューロンは未知の神経細胞でしたが、同じ効用を指摘しています)

しばらくは動力なしの人間本来の身体機能を、色々試してみたいと思っています(笑)
ほんの百年前くらい前は、みんな歩いて移動していたはずなのですから。

不便だと云う事は、ある種の覚醒へと導いてくれますね(笑)
クロスバイク(自転車)は近々購入予定。
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復活? (ランスケ)
2014-02-21 14:09:19
ホツホさん、ありがとう。

事故後、rieさんやmariさんからも、冷やかし半分お見舞いメールをもらいました。
なにせ大雪が降ると、嬉々として雪山へ入る暴走爺さんでしたから(汗)
「神様が5mふっとばして暴走爺さんを止めたのです」と諭されました。

洲之内徹コレクション展、好い息抜きでした。
こちらでは、ホッホさんの偏愛が高じて書き込みが止まらないヒートアップぶり(笑)

おかげで20日間も更新しない沈黙のブログを
コメント欄の息継ぎで救ってくれました。

やっと、ブログ再開です。
でも、以前と同じようには行かないでしょうね?
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懲りない面々 (misa)
2014-02-22 00:46:20
パリの散歩道ですね(笑)
完全寝不足です、Olympicのお陰で・・・・

のびのびと歩いてcamera使えるんですね
misaは左手が全く使えないのでこれも片手
仕事はPC中心の指示出し日勤勤務に廻りました
私生活は主人に介護してもらってるようなものです

こうなってみると改めて利用者の思いが伝わるようです
口にくわえて上着をはおり瓶をわきに挟んで蓋を開けて出来ることを時間をかけてやるしかなく
イライラ感を紛らわすために今が旬の文旦Jyamuを作りました

我慢できなくてチラリ出かけました
新聞掲載の桐野ともあきの世界に刺激されて・・・

画像送ります(手首無理してまわしてしまい反省)
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散歩写真の可能性 (ランスケ)
2014-02-22 11:21:32
misaさんも、なぜか同じ時期(昨年も)に事故に遭われたようです。
こういう不運な状況が一致するのは、まったく歓迎しませんが(苦笑)

ソチの冬期五輪ですか。
まったくと云っていいほど興味ありません。
ニュースや新聞で結果を知るくらいです。
こういう愛国心プロパガンダとは距離をおきたい気分です。

反知性主義の勢いは、ここまで来ていますね。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/140221/amr14022113230006-n1.htm

NYタイムスや英ガーディアンも取り上げているようです。
益々、日本は世界から孤立化してゆきます。

散歩写真、ひとつのカテゴリーとして色々試してみようかと思案中です。
ウォーキングとかの健康法じゃなくて、日常の移動手段として。
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