夏台風は足が遅い。
西日本に猛威をふるっている大型台風は、遠く東北の地にまで連日雨を降らす。
ひとしきり降り続けた雨が止んで、薄陽が差したかと思うと、
また視界が煙るほどの、どしゃ降り雨が降り頻る。
なんとも判断に困る数日が続いている。
軒を打つ雨音を聞きながら過ごす雨宿りも好いけどね。
東北へ入って二日目は、鶴岡を朝、出発して羽黒山を目指した。
その日は、まだ雲間から青空が覗き、夏の陽射しが差していた。
どこまでも青い草の海が、視界いっぱい茫洋と広がる庄内平野の風景に、
唯ただ、圧倒され、その風景の豊穣さが嬉しくてならなかった。
すーっと青田を割るように引かれた一本道のパースペクティヴな風景。
それに電信柱の遠近法なんかが加われば、もう卒倒しそうなほど嬉しい(笑)
今は、もう失われた懐かしい風景なのだ。
少年の日の夏に記憶に刻んできた遠い風景なのだ。
青田を渡る風が、ざわめかせる原風景なのだ。
そんなこんなで、なかなか前に進まないまま羽黒山山門に到着。
この参道の杉並木と五重の塔のたたずまいは、
予想外に心を打った。
ミシュランの観光ガイド、三ツ星評価とか。
なるほどと、頷かせるジャパネスクな佇まい.
山門のところに止めていた自転車に戻ると、
昨日、庄内神社で出会った成瀬さんから伝言。
旅の安全を祈るメッセージを記した一枚の紙片。
う~ん、こういう不意打ちは心を打つ。
ありがとうございます。成瀬さん。
羽黒山神社から再び庄内平野の真っ只中を走り抜ける県道113号線。
そして国道345へと辿り最上川を渡る。
ある意味、この旅は父母が夢見て叶わなかった芭蕉の奥の細道を辿る旅でもある。
親不知、最上川、そしてこの後、象潟も訪ねる。
私自身に俳諧を嗜む風流はないが、
ペダルを漕ぐ足が自然とそちらに向かうようだ(笑)
ブログを更新した日は、眠くなる。
最上川沿いのバス停で自転車を停め午寝。
(バス便一日3便のみ)
川風が心地よく吹き抜ける微睡みのひと時だった。
その日の宿泊地は、八森自然公園キャンプサイトとした。
キャンプ場のすぐ近くに公共の温泉施設があり、コンビニが近いのも利点。
キャンプ場到着と同時にどしゃ降りの雨が雷鳴と共に。
そして、そのまま、ここで二日間の雨宿り。
広い炊事棟にテントを張ったので快適。
(二日間、誰もキャンプ場利用者はいなかった)
また、ここで鳥海山山域のイヌワシの生態調査をやっている
斉藤さんと知り合った。
雨宿りで暇を持て余しているので二日間ともに訪ねてくれた。
早速、ネイティヴな東北訛りが聞けて嬉しい。
東北に入ってから、道路沿いにフェンス状に張り巡らされた支柱の存在が不思議だった。
斉藤さん曰く、あれは冬の地吹雪のための風除けのフェンスらしい。
台風並みの風速20mの猛烈な地吹雪が吹き荒れるとか。
八森二日目の朝、意を決して出発。
一日中粉糠雨が降り続けた。
それが涼しくて、この夏一番の快適な自転車走行でした。
雨の上がった昼前に出発したので、辿り着けたのは由利本荘まで。
途中、奥の細道の景勝地、陸の松島と謳われる象潟を訪問。
草原の向こうに、姿のいい松が点在する島嶼の佇まいは不思議な風景だった。
由利本荘の宿から見た夕景は、嵐の到来を告げる燃えるような黄昏。
翌日の大潟の雨上がりの虹も素晴らしい一日の幕引きだった。
国道7号線で出会った、サイクリストでフルマラソンに山登りもと旺盛なアスリート、Tさん。
県道56号線では、なんと同郷の西條からの自転車ツーリスト、kuzunnさんと出会った。
kuzunnさんは、あの放浪のボヘミアン、喜多村さんとも出会っていた(笑)
さて明日から東北方面も台風の直接的な影響が及ぶ。
また雨宿りの足留めだろうか?
8/6 走行距離、69.3km。
8/7 走行距離、7.92km。
8/8 走行距離、61.74km。
8/9 走行距離、85.67km。
コメントを入れて頂いて嬉しいです。
サンルーラル大潟は、ヘムパパさんお奨めの温泉だったでしょうか?
八郎潟干拓地の広大な風景を見渡せる、この宿で台風を避けて雨宿りしています。
8階の展望風呂から遠く白神山地も望まれ、のんびり旅の疲れを癒しています。
到着した昨夕には、見事な雨上がりの虹も架かりました。
お奨めの男鹿半島を望みながら走る秋田男鹿自転車道も走りました。
晴れた日に走ればと悔やまれる気持ちのいいサイクリングロードでした。
白神山地は、これからの旅の目的地なので、ヘムパパさんの情報ありがたいです。
ヘムパパさんも退職されたら、ぜひ自転車旅を。
ランスケさんが、日本海側から、西目屋村方向に入るのであれば、参考にしてください。
パンクも心配ですが、お天気が・・・
私の場合は、西目屋村泊まりでしたから、逆ですが、
昨年、津軽峠で、通行止にあいました。
もし、コースに入ってるなら、要注意です。
ビジターセンターで、調べてください。
白神山地マザーツリーで検索すると津軽側の道は、すべて通行止めでした。
秋田側は、道がダートなのでオンロードタイプの私の自転車では走行不可です。
月山、鳥海山と山は厚い雲に覆われ断念。
続いて楽しみにしていた白神山地のマザーツリーとの対面も絶たれました。
なんとも東北の山とは相性が悪い。
二年前の朝日連峰縦走は、生涯忘れられないくらいの山旅だったのに。
自転車旅と二兎追う者は、山の神様への憧憬と畏怖が欠けているのでしょうね。
明日の台風一過の雨上がりから、再び北上を開始します。
四国の台風被害は大変でしたね。
仁淀町の2000mmを越える降水量には唖然。
今年は頑張って畑は実りの収穫待ち、背丈の低い母に合わせた葡萄の棚で腰をかがめて包んだ葡萄もみんなみんな哀れな姿となっておりました。一つ一つ起こして支柱を立て直しトマトはソースに胡瓜は佃煮にしました
外回りや車を洗い流し、庭やベランダの落ち葉をかき集め
ガレージのつっかえ棒をはめられず飛ばされはしないかと一晩中やきもきしましたが無事
二階では強風のため揺れが強く一階livingソファーで仮眠状態。実は昨日主人が持病で緊急入院となり余計不安でした。
仁淀川町、鳥形は最も雨量の多いところですが今回はどこもかしこも異常です
月山や鳥海山はともかく白神山地までもとはいかにも残念ですね。私自身楽しみにしておりましたので・・・・・
せめてくっきりと弧を描く虹が救い、いえいえご褒美でしたね
不安な台風の上陸でしたね。
今夏の四国は、夏らしい夏がないままに秋になってしまいそう?
そうですね。
昨年、あれだけ追いかけた虹を、あっさり撮れました。
その前日のホテルの窓から見た河口の燃える夕焼けも見事でした。
やっぱり悪天候の変わり目は、特別な風景が見られます。
白神山地のマザーツリーは残念ですけど、
まだまだ東北の森は、これから楽しめます。
旅も秋田県から青森県へ移ろうとしています。
これからが旅の本番。
まったくヘコタレていませんよ(笑)
異常気象さえ味方に付けるランスケさん、素晴らしいロードムービーです。
これから秋田、青森に抜けられるとか。またもや素晴らしい景色、友人達と出会えますように・・・
虹の写真、素晴らしい!
台風本体は通過しているので北上しました。
本日は白神山地の森の中の湖沼群、
十二湖キャンプサイトでテン泊です。
今は、どしゃ降りの雨が降り続いています。
明日の朝に期待して。
ここもドコモが繋がりません。
PCは繋がらずauの携帯からの返信です。
県境を越えて青森県に入りました。
東北はテン場と温泉がセットになっているのが嬉しいです。
難点はオートキャンプ場なので周囲がうるさい(笑)
でも、電気が取れるのpcや携帯の充電が出来るのは便利。
マザーツリーへの道の通行止めが解除になったようです。
弘前から白神山地へ入れそう。
十二湖は神秘的で素晴らしかった。
途中の県道40号線は、津軽富士、岩木山を眺めながらの
快適なリンゴ畑沿いの道でした。
今夜は、白神山地の起点、赤石川沿いのキャンプサイトでテン泊です。
ここにも温泉があります。
東北のテン場は最高ですね。
川で麦酒を冷やしておいて、ひとっ風呂浴びて来ます。
どうもマザーツリーまでの道は、ダートの林道なので自転車では行けません。
高倉森越えの山道だと片道4時間とか。
明日の朝、出発して往復8時間。
もう一泊しなくては(汗)
まぁ、憧れの白神山地の森です。
存分に楽しませてもらいます。
ここは、ドコモは繋がりますがauはダメです。