Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

記憶の中の陰画

2018-01-07 | 

皿ヶ嶺登山口手前の急勾配の登坂路で、この光の道と出会った。

朝方の雨が路面を濡らし、雲間から光が射した瞬間だ。

思わず自転車を路肩に停めて、夢中でシャッターを切った。

いつか観たモノクロームのRoad Movie のような鮮烈な光と影の記憶。

頭の片隅に、ずっと焼き付いていた路上の旅の残像としての消えやらぬ風景の記憶。

もうこの一枚を撮れたので、そのまま帰ってもいいと思った(笑)

 

 

久しぶりに山沿い降雪の予報が出た後だ。

登山口手前に自転車をデポして、雪の森散策へ出かけた。

ブナの森の銀世界散策までは、しばらく暗い植林の道を辿らなければならない。

途中にある瞽女(ごぜ)石は、この森の霊的な場所のひとつだ。

当初は旅の瞽女さんが久万方面への往還路であった、ここで果てた鎮魂碑かと思っていた。

実は四国山間部に多い平家伝説の鎮魂碑だったと傍らの石碑に刻まれた由来を読んで分かった。

今も丁寧に慰霊されている様子が窺える。

私も手を合わせ、森の精霊となった悲劇の人の冥福を祈った。

もう一カ所、竜神平に水の神、龍神を祀る祠がある。

山麓の里を潤す豊かな水の水源は、この湿原にあるから。

風水の霊的場所に続いて、その惨禍の場所にも足を運んだ。

昨年の大型台風による爪痕である山頂西側に広がる檜の植林地の大規模な倒壊現場。

惨禍の跡ではあるが、廃墟は目を惹く独特の美しさがある。

それをいつか撮りたいと思っていた。

降雪の後の倒壊した檜林には、惨禍を覆う雪の聖性があったと思う…

 


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5 コメント

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Unknown (Unknown)
2018-01-07 23:20:48
泣き暮らして盲目とない遂に・・・
目の不自由な人が願掛けをすると・・・

冴え冴えと空気感が伝わってきます

次々と降りかかる難題に
先日NHKでみた28歳の現役プログラマーに元気を貰い
日々平常心を心掛けながら過ごしています

もう以前ほど山に入りたいと強く思わなくなって
それが良いことなのかどうか
じっと目を閉じる時間が多くなりました
今日は波の音を聞きながら・・・

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ごめんなさい (misa)
2018-01-07 23:25:45
確認なしに投稿しました
28歳でなく82歳です(笑)

以前ほど出来栄えに拘らず
目に飛び込んできたものにシャッターを押すようになりました
私のRoad Movie のような鮮烈な光と影の記憶は
夕暮れ時のヘッドランプ
返信する
生命力を高めるには? (ランスケ)
2018-01-08 00:55:24
Unknownさんは、misaさんでしたか(笑)

82歳でプログラミングを習得する衰えない学習能力は驚異的ですね。
同じNHKの番組で今夜放送された人体の神秘シリーズの骨編も興味深い内容でした。

https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/46/2586930/index.html

骨は人体を支えるだけでなく、記憶や免疫力を高めるメッセージ物質を生成する役割もあったのですね。
年齢を重ねても衰えない生命力を発揮する人は、このオステオカルシンという
メッセージ物質の分泌の多い人かもしれません?
私の足首骨折箇所の痛みの再発も、この物質不足が原因かな?
番組でも自転車は筋力をアップするけれど、骨の衰えを加速すると…

対処法は骨に衝撃を与えること。
ランニング及ぶウォーキングを勧めていました。
確かに以前と較べると山歩きや散歩の回数が減りましたからね。
相撲の四股(しこ)がインナーマッスル(深層筋)の運動に良いというのも頷けます。
活発であることが、そのまま生命力を高める進化のメカニズムにも合致するのでしょうね。
もう一度、身体運動法を考え直してみます。

確か、夕暮れのヘッドランプ画像、以前送ってくれましたよね?
いい写真だなぁ~と記憶の片隅に残っています。

通り過ぎた路上の風景は、もう後戻りできないだけに鮮烈に記憶の中の映像として焼き付いています。
また旅に出たくなりますよね(笑)
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 (鬼城)
2018-01-08 08:57:50
自然の中で光の大切さをまざまざ見せてもらいました。
冬の寒々とした中、光さす風景のすばらしさ・・・
新年あけてNHKの特集は目を見張る者が多かった。
人体もその一つでした。
歩くこと、ジョギングなど続けねばと改めて思った次第です。
罰当たりなことに知ってはいましたが、瞽女石、龍神様に手を会わしたことが無かったなあ・・・
返信する
今シーズン一番の寒気到来 (ランスケ)
2018-01-08 12:24:51
鬼城さん、最新ブログ記事は「散歩」でしたよね。
改めて、昨夜のNHKの人体の神秘シリーズを観て、健康法の基本は歩くことだと痛感しました。
是非、日課として続けてください。
私も自転車+散歩を相乗効果として、骨への刺激を意識しながら続けたいと思います。

実は今回の皿ヶ嶺(麓から山頂周回の往復、標高差1000mくらい)山行では、下山時の足首の痛みが全くありませんでした。
思い当たるのは、冬靴着用だったことと手先まで暖かい冬装備だったことです。
痛み始めたのも寒くなってからです。
代謝機能の衰えた老体には、寒気は体調不良の原因になりやすいですからね。
骨への刺激を意識した散歩と合わせて生命力回復に努めてみます。

若い頃は、信仰心とは縁遠いものです(笑)
鬼城さんも学生時代は麓の登山口から皿ヶ嶺を目指したのですね。
あの瞽女石には、苔むした礫岩の醸し出す異形の霊気がありますよね。
麓から登る時と下山時には、あの前に立つと自然に手を合わせます。
山という異界に入るための境界に立つ鳥居(結界)のような霊的な場所だと肌で感じます。
石鎚へ入る時も同様に結界の鳥居では手を合わせ礼拝します。
それが作法だと山の先人から学びました。

今週末は平地でも雪を降らせる寒気の到来が予想されています。
鬼城さんは雪の天赦園でしょうか?
皆さんの撮る南予の雪景色を楽しみにしています。
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