旅の目的地が、もう一つあった。
20代の頃、波乗りに通った大岐浜だ。
四国周回のお遍路旅をして、このビーチの変わらぬ美しさに驚いた。
昔は、こういう美しい砂浜が日本各地にあったのだろう。
でも今は、何処もコンクリートで護岸された醜い海岸線ばかり。
自然災害の多いこの国における治水にかけた先人たちの労苦は理解できる。
それにしても、日本の水辺の風景は目を覆いたくなるような惨状だ。
一度壊した水辺の環境を、人工的に整備して、
清潔で安全な親水公園、海浜公園として再現する。
私は、ちっともそんな風景を美しいと思わない。
徹底的に自然環境を破壊した都市部の川や海なら分かるが、
なぜ自然豊かな地方の川や海にまで、
そんな醜悪な人工環境を造るのだろうか?
今回の旅の途上にも、たくさんあったね(汗)
さて、旅の続きだ。
四万十川を河口まで辿り、足摺岬方面へと進路を取る。
その途上に大岐浜がある。
長く美しいビーチの光景に目を奪われながら自転車を押して歩いた。
波乗りの青年がひとり、いつまでも疲れを知らず美しい波乗りの瞬間を追い求めていた。
ずっと、その場所で時間を忘れて過ごしていたかった。
サーファーという人生の選択肢が一番美しかったかもしれない…
そう思えてくる。
60を過ぎた爺さんのせんない人生の悔恨だ(笑)
さぁ、後はもう帰るだけ。
自転車旅三日目のその日が、疲れのピークだった。
上り坂のたびに足が攣りそうになる。
サドルを跨ぐ内股も炎症を起こしているようだ。
竜串までが、精いっぱいだった。
国道沿いのドラッグストアで筋肉痛鎮静の塗り薬とシップを購入。
宿の風呂上り、身体中にペタリペタリ貼りつける。
その効果があったのか?
帰還の二日間は、一日100㎞以上の行程を走りぬいた。
唯毎日、幹線国道沿いを走り続けるだけ。
旅の感慨は、ほとんどなかった。
お遍路さんとの挨拶と立ち話。
叶崎灯台の猫たち。
岩松の菩提寺への墓参。
そして、この旅一番の試練は、吉田から延々と続く法花津峠の上り坂だった。
最後の法花津トンネル手前まで、いくつも通過したトンネルすべて、ずっとゆるい上りが続いていた。
旅の終わりは、いつも物哀しい…
敬愛するロード・ムービーの映像作家、ウォルター・サレスの
モーターサイクル・ダイアリーのエンディングロールで流れた音楽を。
目から鱗だ。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYEA3H06620140418?sp=true
確かに仰る通りなのです。
ツーリング用の自転車は、みんなそうしていますね。
でも私は目的が違うので、あえてこういうスタイルを取りました。
移動の道具である自転車は、なるべく軽く。
階段だろうと道なき場所だろうと、
ひょいと担いで移動したかったのです。
なにせ普通の道を走っても面白くないので(汗)
私自身は山歩きで、いつも20kgは担いでいるので平気です。
とか云っても、やっぱり五日間続くと肩が痛かったですね(笑)
自転車で石鎚に辿り着くには、もう少し筋力を鍛えないと…
先日の皿ヶ嶺越えは途中で、あえなくリタイアでした(汗)
とのことですが、重心が上にあり転倒の元になります。重いものは自転車の車体に付くよう工夫して、バックパックはなるべく軽くすべきです。
身体への負担も軽くなります。
くれぐれも事故にあわないようにしてください。
抗えないくらいに。
砂漠の風の民、ノマドに憧憬を感じます。
サーファーという生き方も、唯美しい波を求め続けるシンプルな人生です。
どちらにしても、浮世離れした生き方ですね…
イソップ寓話の「蟻とキリギリス」のキリギリスなのでしょうね…いつまで経っても(笑)
今週も、お天気良さそうですね。
旅の疲れもとれたので、近郊の峠越えで筋力アップをして来ます。
あっ、梨木香歩の新刊が出ています。
そして村上春樹の新作短編集も。
それにしてもサーファーだったとは、驚きでした。
自然破壊はどこも続いています。
我が町で情けないことは、歴史ある堀を埋め立てたこと・・・治るのものなら直してもらいたい。
人が住めば汚れたり、壊れる世界ではいけません。
最後の清流と言われる四万十の川も汚れが目立ちます。