とやざき農園日誌

浅間山麓(長野県小諸市)で自然農法による農業を行っています
肥料や農薬を施さず自然の養分循環の中で野菜を育てています

森林土 調査

2018年12月25日 | 日記
水源地視察を終え、樹木が土壌にもたらす作用について興味が湧いてきたので、本日は落葉樹林を訪ねて「森林土」を調査することにしました。樹木の根を傷付けるのは申し訳ないので、根本から2メートル程離れた場所の土壌を探ります。辺り一面を落ち葉が覆っています。


落ち葉をどけると、表土が現れました。


表土には腐植物が大量に混じり、焦げ茶色をしています。色はスメクタイト型粘土に近いですが、パラパラした感触で粘性は全くありません。
<サンプルA:森林表層の腐葉土>
酢酸水ph5.50に土を投入→ph5.41
酢酸水ph5.25に土を投入→ph5.27
※ph5.30~ph5.35と推定


15㎝程掘ると、土が淡い色調に変わってきました。樹木の吸収根が見え始めています。土質はサラサラです。


<サンプルB:深さ15㎝付近の森林土(淡い焦げ茶色)>
酢酸水ph5.50に土を投入→ph5.47
酢酸水ph5.25に土を投入→ph5.28
※ph5.35~ph5.40と推定


深さ20㎝以降、吸収根が縦横に張り巡らされ、根を傷付けずに掘るのが難しくなってきました。根の隙間に小型スコップを入れて30㎝辺りまで掘り進めたところで諦めました。粒子が極めて細かく、水気がほとんど感じられない土質です。
(日陰に入ったせいか写真が暗くなっています)


<サンプルC:深さ30㎝付近の森林土(栗色)>
酢酸水ph5.25に土を投入→ph5.20
酢酸水ph5.00に土を投入→ph5.01
※ph5.05程度と推定


畑では見たことのない強酸性でした。色合いから見て、土壌学上の分類は「褐色森林土」に当たると思われます。表土近くのphが若干高いのは、腐植物の分解によって放出されたアルカリ成分の影響と思われます。
ph5.0以下ではケイ酸が完全に溶脱し、粘土粒子が存在しなくなるそうです。「黒ボク土」をはるかに上回るサラサラ度合だったのは、それに近い状態のためでしょう。
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