とやざき農園日誌

浅間山麓(長野県小諸市)で自然農法による農業を行っています
肥料や農薬を施さず自然の養分循環の中で野菜を育てています

野草が繁茂する原野の土壌構造

2018年05月31日 | 日記
土寄せ後に空いたジャガイモの畝間に草を敷くために、ブタクサなどが生えた藪草を刈り払っていますと、地際にモシャモシャとした白い塊がありました。


梅雨が近付き湿度が上がってくると現れる菌類(糸状菌)のコロニーです。枯草に菌糸を伸ばし、餌にしています。


掘ってみると、菌が分解中の枯草の下にくずくずになった腐植の層があり、植物の根が食い込んでいます。その下に細根が張り巡らされた団粒土の層、更に下はごろごろの粘土塊の層。ブタクサが主体の草藪なので細根は少なく、団粒土層はあまり厚みがありません。


深くなるほど粘土塊が大きくなり、やがてカチカチの硬盤層にぶち当たりました。元田んぼで水が溜まりやすい地形である上に、ブタクサが藪を作って水分蒸発を抑制しているため、かなり浅い位置に硬盤層ができています。


このような土壌構造のままでは、野菜が根腐れを起こしやすく十分な生育は望めません。
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ジャガイモ土寄せ

2018年05月30日 | 日記
本日は曇り後雨。
九州北部と四国が梅雨入りしたようですが、当地も来週辺りには梅雨入りしそうな気がします。

梅雨入り前、土が乾いている内にジャガイモの土寄せを済ませました。
土と一緒に寄せてあるのは、ジャガイモ作付地に昨年林立していたブタクサの残骸です。


ブタクサは3月末に発芽し、梅雨、台風、秋雨など夏場の全ての雨を吸い尽くし、秋には4メートル近い草丈まで育つ雑草の王者です。ブタクサが林立して藪を作ると地表には陽射しが全く届かないので、降った雨が蒸発せず土壌を粘土(酸性)化します。粘土質土壌は粒子が隙間なく詰まっており、麦のような細根ではとても伸びていけそうにありません。


粘土質土壌を生み出すブタクサ自身は太い直根を持っているので、ドリルのように掘り進み、問題無く根を伸ばすことができます。
<幼少期のブタクサ>


マメ科、ナス科、ウリ科、ユリ科など、繊細な細根を持つ野菜を育てるには、畝を高くして粘土を乾かし砕き、空隙に植物体(茎、葉、根など)を割り込ませ、細根の伸長しやすい団粒に変化させていく必要があります。

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大豆発芽

2018年05月29日 | 日記
小満(5月21日)の翌日に播いた早採り枝豆用の黄大豆が発芽しました。


黄大豆を作付けているのは、昨春新たに畝を立て、春:ジャガイモ、秋:カブ(または野沢菜)と作り、現在、イヌムギ(麦の仲間の雑草)の海と化している場所です。麦類は湿害に対して大変弱いので、イヌムギが生えるようになったということは水はけが良くなったことの現れです。


イヌムギの茂みを覗き込むと、オオイヌノフグリが生えていましたが、育ちはひょろひょろで畝の保水力が十分でないことがうかがえます。麦類のみが元気なのは過乾燥の状態で、土壌ph的には7.0以上、畝立てによってベトベトの粘土(酸性)が干され砂質(アルカリ性)化したものの、まだまだ団粒(中性)が発達していない段階です。


例によって、立鎌で畝上の草を刻みながらすき込んでいきます。
立鎌は、群馬の鍛冶屋山崎製作所の草削り(窓空き240)


耕してみると、イヌムギの細根が張り巡らされ団粒ができつつありましたが、まだパサパサした質感です。大豆が更に団粒化を進めてくれるのを期待しています。


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中性の土壌

2018年05月28日 | 日記
タマネギの玉がだいぶ大きくなり、外皮が茶色くなってきました。


タマネギの好適phは6.5~7.8だそうで、ほぼ中性の土壌が要求されます。
今年タマネギがよく育っている場所にはやはりオオイヌノフグリが生えていて、いまだ勢い衰えず青い花を次々と咲かせています。ハコベは既に開花期が終わり、後は結実して枯れるのみです。

昨年までの畑の感覚では、オオイヌノフグリの青い花が目に留まるのはGW明けくらいまでで、梅雨が近付き湿度が上がってくると、わさわさと伸び始めた夏草の茂みに飲み込まれて姿が見えなくなっていました。土が乾き風通しがよくなるのに合わせて、初夏の畑の風景もだいぶ様変わりしたように感じます。
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畝の水はけ改善に伴う下草の変化

2018年05月27日 | 日記
巻き上がった越冬レタスを支えるようにオオイヌノフグリが下草として生えています。


レタスの好適phは6.0~6.5なので、畝の土が野菜栽培に適したものになったかどうか判断する上で良い指標になります。
小松菜など水気の好きな葉物類はph5.5~6.0。ソラマメ、ホウレンソウなど乾き気味の土を好む野菜はph6.5~7.0です。レタスの位置するph6.0~6.5は中間の領域に当たり、この土壌phが維持できていればほとんどの野菜が健全に生育できます。

オオイヌノフグリは春を告げる野草です。当農園では2月下旬、雨水から啓蟄に移る頃合いに他の植物に先駆けて開花を始めます。オオイヌノフグリの開花は表土が凍らなくなったことを意味していて、土手などの水はけの良い場所ほど早く開花します。畝上でオオイヌノフグリが勢いよく繁殖しているということは、それだけ土が良い状態で冬越しできたということです。

これまで、畝に生える草はハコベが最適だと思い込んでいましたが、ハコベが繁茂する場所はじっとり湿っていて、こまめに草刈しないと草に飲み込まれる格好になりレタスがよく育ちませんでした。野菜の好適phについて学んだ感じでは、ハコベが元気に生える土壌はph6.0以下なのではないかと思います。

一方、オオイヌノフグリは風通しの良い形態の茎葉をしていて、葉裏や茎に毛もあり、いかにも乾いた土を好みそうな印象です。


オオイヌノフグリが生える畝では、レタスがぐんぐん大きくなる上、下草がレタスを飲み込むように暴れることもないので、草刈に入る必要がほとんどありません。未だ万全とは言えませんが、おぼろげながら草生栽培の理想形が見えてきた気がしています。
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