とやざき農園日誌

浅間山麓(長野県小諸市)で自然農法による農業を行っています
肥料や農薬を施さず自然の養分循環の中で野菜を育てています

霜柱

2019年11月21日 | 日記
昨夜は氷点下が長時間続き、辺り一面が霜で真っ白になりました。早朝の最低気温はマイナス4℃を記録。


日陰の湿気っぽい場所では霜柱が立っていました。


強い霜を軽々乗り切ったキャベツ。白菜よりも霜害に強いようなので、寒冷地の巻物はキャベツを主体に作付した方が良さそうです。今年はクチブトカメムシに青虫駆除を任せて人間は何もしなかったので、かなり派手に外葉を喰われてしまいましたが、存外大きく結球しました。

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冬支度

2019年11月20日 | 日記
本日は朝から冷たい西風。浅間山が雪雲のような靄に覆われ、里では一瞬雪がちらつきました。


二度目の冠雪が見られるかと思いましたが、次第に雲が消えてゆき


午後にはすっかり快晴。


今晩は長時間に渡ってマイナスが続く予報となっているため、霜に弱い白菜と


大根に


防霜シートを掛けて回りました。葉に直接霜が当たらないだけでも結構な効果があります。


カブ類は耐寒性が強いので、もうしばらくそのまま耐えてもらいます。
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膨潤性粘土鉱物の生成条件

2019年11月17日 | 日記
「ひび割れ粘土質土壌」を生み出す「膨潤性粘土鉱物」は、粘土鉱物学によれば、2:1型粘土鉱物のスメクタイトに分類されています。チェルノーゼム(黒土)やレグール(黒色綿花土)に含まれることで知られるモンモリロナイトはスメクタイトの一種です。


粘土鉱物は層構造の有無から二つに大別され、更に、層構造を持つものは2:1型と1:1型に区分されます。肥沃な土壌が形成される上で特に重要になって来るのが2:1型のスメクタイトですが、その生成条件がpH7.0以上となっていることが、畑作において酸性土が忌避される理由と言えます。

実際の土壌においては、2:1型粘土鉱物(弱アルカリ性)の結合によって形成される中核粒子を、1:1型粘土鉱物(弱酸性)が取り囲み、更にその外側を腐植酸(酸性)が取り囲むことで土壌団粒(ミクロ団粒)が形成されると考えられるため、土壌団粒の正味のpHは弱酸性を示すことになります。しかし、植物が生えていない通路においては、周辺の草地から漏れ出たわずかな腐植酸が存在するだけなので、2:1型粘土鉱物の影響が優勢になり中性以上のpHが測定されると予想されます。

昨年10月末の実験では、通路のひび割れ粘土がpH7.5以上であることが確認されましたが、多雨だった今年はどのような状況になっているでしょうか。先ず、農業用水路のpHを調べると、pH7.48という結果を得ました。昨年12月の測定結果pH8.14に比べるとだいぶ低い値です。


次に畑内の湧水地を調べると、pH6.23でした。昨年12月の測定結果がpH7.09だったので、こちらもかなり低い値です。まだまだ周囲の草が青々としているので有機酸(酸性)の放出が多いと考えられます。


2カ所の水を使って、通路のひび割れ粘土のpHを推定してみます。
<測定A:湧水地の水pH6.23に粘土を投入> pH6.36
<測定B:用水路の水pH7.48に粘土を投入> pH7.21
<測定C:2カ所の混合水pH6.99に粘土を投入> pH7.16
以上から、pH7.2程度と推定。スメクタイトの生成条件を満たしていることが分かりました。
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膨潤性粘土の収縮

2019年11月16日 | 日記
一昨日から始めた、膨潤性粘土(通路のねばねば土)の収縮実験。

開始時の様子。


昨日、軽量カップから取り出した時の様子。


そして、本日午前10時(2日経過後)。
円柱状の粘土塊の直径は、開始時の78mmから73mmに減少。


円柱の高さは、開始時の48mmから43mmに減少していました。


午後2時半には、かなり乾燥が進んで灰色に変わりました。直径が70mmで、高さは41mmです。午後3時半時点で、直径、高さともに変化なし。収縮がほぼ完了したと思われます。直径が10.3%、高さは14.6%減少。これほど縮むとは驚きでした。


意外だったのは、上部外縁がカップ内壁にへばりついて多少崩れたものの、全体的には形状を綺麗に保ったまま収縮したという点です。「ひび割れ粘土」と言うことで、もっとビシビシ亀裂が入るかと思いましたが、粘土粒子間の結合がだいぶ強いようです。

ひび割れ発生の仕組みについては、別で実験を行っていました。小石を粘土で囲ったものを乾燥させます。


乾燥すると、小石に接する部分に亀裂が発生。乾燥によって粘土は収縮しますが、小石は形が変わらないので、境界面でズレが生じ亀裂が発生するという仕組みです。実際の土壌においては、粘土が小石や砂、有機物などと混在しているため、あちらこちらで乾燥による収縮率に不整合が生じ、多数のひび割れが現れることになります。
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ひび割れ粘土質土壌

2019年11月15日 | 日記
埴壌土であると判明した道具小屋脇の通路の土。晴天が続くと乾いてひびが入り始めます。


昨年の調査では、ここの粘土はpH7.6程度の弱アルカリ性であることが分かりました。アルカリ性条件下で生成する粘土鉱物は、2:1型のスメクタイトです。スメクタイトは、吸水により膨張することから「膨潤性粘土鉱物」とも呼ばれます。この性質は、裏を返せば、乾燥により収縮することを意味しますので、それによって生じたのが写真の「ひび割れ」と解釈することができます。

では、どの程度の割合で膨張・収縮が起きるのか? ふと興味が湧いたので、昨日、粘土の塊を用意したついでに実験してみました。よく水を含ませた粘土を計量カップに詰め込みます。


体積は約210ccです。


これを天日干し。


6時間後に様子を見ると、縁に沿ってひび割れが生じていました。


高さは200ccの目盛りまで低下。


収縮したことでカップとの間に空隙ができ、スポッと抜き取れました。


さて、このような埴壌土の性質が、作物生育上どう役立つのでしょうか? 畑作において、埴壌土はネギ類の栽培に適するとのことですが、現在生育中のタマネギ畝で実際にその「ひび割れ」を確認することが出来ます。


陽当たりの良い土手に群生するノビルの根の様子。ネギ類には、アブラナ科に見られるような毛細根が無く、やや太めの根が幾筋も放射状に伸びる特徴があります。乾燥によって埴壌土にひび割れが生じるとすれば、ネギ類の根が土壌水分を吸収することで、土壌深部に更に割れ目が広がっていく様子をイメージすることが出来ます。
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