柏木水源地の奥から山頂へと続く涸れ谷。谷底には沢らしき流れがありませんが、カチコチに凍っていて積雪がなかなか解けないので、泥炭のような分厚い腐葉土層の下を、伏流水がじわじわ流れ下っているものと想像されます。
涸れ谷の各所に出現する異様な地形。
龍の口を思わせる洞穴が開いています。
灰色の安山岩質の岩盤下にある、えぐられたような空間。
地面には、砕けた赤岩が散乱しています。沢を転がって摩耗した形跡が無いので、ここの岩盤が砕けて出来たようです。
谷の左側面を見ると、赤みを帯びた岩盤に幾筋も横向きの亀裂が入り、今にも崩れ落ちそうです。板状節理が見て取れることから、火砕流によって生み出された溶結凝灰岩であると思われます。底部には、火砕流の熱で溶け切らなかった火山砕屑岩の層があります。底部の脆い火山砕屑岩が水食を受けてバラバラになった事で、支えを失った中層の固い溶結凝灰岩が節理面に沿って剥がれ落ちているようです。
谷の右側面では、垂直に大きな裂け目が生じて、下流側がごっそり外れていました。岩の上に生える樹木の根が、亀裂を押し広げたのかも知れません。ダイナミックな自然の力を感じました。
#赤岩