長らく続いた秋雨に台風の豪雨が加わって、大玉トマトが決定的に割れてしまいました。
まだ青い玉ですらこの有様です。
その一方で調理用のイタリアントマトは全く割れることなく艶々。
調理用トマトは水気をほとんど含まないため、雨が降っても実が膨張せず割れません。
みずみずしさに欠けるので生食には向きませんが、スープやカレー、パスタソースなど煮込み料理に使うと旨みが出て美味しいです。
雨が多くなり湿度も高まるこの時期、雨除けのビニール屋根を張ったり、ハウス内で栽培したりして割れを防ぐのも手かと思いますが、自然農を志す身としては、石油化学製品にはなるべく頼らずに、その時々に応じた品目を選ぶことで、元気に育つ野菜をご提供できればと思っています。
列島を縦断し、各地で大きな被害を出した台風18号が過ぎ去って一夜。
今朝は寒気が流れ込み、畑の気温も10℃まで下がりました。
畑に向かう途中の家庭菜園では、収穫を控えたトウモロコシが無残になぎ倒されていました。
我が家では、今年、粉食用の硬粒種である「甲州もろこし」を栽培しており、3mをゆうに超える草丈に育っていました。
台風直撃でどうなることかと心配していましたが、何事も無かったように悠然と屹立。
広目の株間でがっしりとした幹に育っていたので、なんとか暴風にも耐えたようです。根も深く張っていたのではないかと思います。
一方、倒れやすいともっぱら評判の枝豆(大豆)を見てみますと、ほとんどの株がわずかに傾いた程度で無事でしたが、一部なぎ倒されているところもありました。
元々棚田だったものを畑に転換しているため、用水路からの浸み出しで、所々水はけの悪い場所があり、倒伏していたのは主にその辺りでした。
少雨地域出身の枝豆は根を深く張る能力を持っているのですが、雨が多い地域で栽培したり、土手下など地下水位が高い場所や、元田んぼなど水はけの悪い場所で栽培したりすると、簡単に水を得ることができるために根張りが浅くなりがちです。そこに暴風がやってくるとこのような結果に。
適地適作の重要性を痛感させられる台風でした。
8月中旬に蒔いた白菜がだいぶ大きくなってきました。
今年は8月23日まで降雨が無く、発芽が予定より大幅に遅れたため、早い時期から収穫するのは無理そうです。
同じアブラナ科に属する小松菜や水菜の場合、若い内から間引き菜を楽しむことができますが、結球前のこの時期、白菜の葉は毛羽立っている上にゴワゴワしており、食べても美味しくありません。
しかし、この特徴ゆえに、白菜は雨が少ない状況でも巧みに水を集めることができます。
雨雲が発生しにくい乾燥地域では、昼間の日照による気温上昇と、夜間の放射冷却による気温降下によって、昼夜の寒暖の差が大きくなり、大量の朝露が生まれます。
中国北部原産と伝えられる白菜や大豆は、茎葉にびっしりと生えた毛によって効率よく朝露を集め、雨の少ない風土を逞しく生き抜いてきたようです。