2つ目の変更は、蒔き筋(種を蒔く場所)の作り方に関して。
これまでのやり方では、まず刈払鎌で作付場所全体の草を地際まで刈り込み、
次に、それぞれの蒔き筋上にある刈り草を脇にどかし、
最後に、鍬で表土を薄く削り取って、雑草の切り株や根、こぼれ種など、野菜の発芽を妨げるものを除去していました。いわゆる不耕起のやり方ですが、この方法を続ける中で常々問題に感じていた点が一つありました。
削り取った表土を積んだ場所に生える雑草の方が作付けた野菜より勢いよく育つ、という点です。
よく考えてみれば当たり前の話で、野菜や雑草の茎葉が枯れ落ちて朽ち、分解寸前になっている腐葉土層が表土ですから、最も養分に富んでいるわけです。雑草が邪魔だからと言って、益するものまで除いてしまっては野菜が育つはずがありません。
あれこれ悩みましたが、他の農法を参考にしながら結局行き着いたのは、表土をすき込む、つまり「浅く耕す」という方法でした。
さて、方法論が変わると、農具もそれに合わせて変えねばなりません。
これまで使っていたのは表土を削るのに適した平鍬でしたが、新たに必要なのはすき込みやすい鍬です。調べてみると、耕起に使われる「唐鍬」というものがありました。不耕起にこだわっていたゆえに今まで気にも止めなかった種類の鍬です。
柄が寝ている平鍬と異なり、唐鍬は刃と柄がほとんど直角で土に打ち込みやすい形状です。
<唐鍬(手前)と平鍬(奥)>
唐鍬を短い間隔でザクザク打ち込み、雑草の切り株や根を断ち切りながら表土をすき込みます。直ぐさま種が蒔ける、まさに耕した状態です。
今秋の作付の途中からこの方法に切り替えましたが、どんな結果を迎えるでしょうか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます