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巨大地震や大津波を引き起こすプレートの境目にたまる「ひずみ」が千島海溝周辺にどのくらいたまっているかを観測する調査船が10日に釧路港を出発します。これを前に9日、船に機材を積み込むなどの準備が行われました。
北海道の太平洋側に位置する千島海溝沿いでは、沈み込む海側のプレートと陸側のプレートの境目に「ひずみ」がたまっていて、これが限界に達すると巨大地震が発生し、大津波を引き起こすと考えられています。
この「ひずみ」がどのくらいたまっているかを調べるため、北海道大学は東北大学や海洋研究開発機構と共同で、10日から船による定期観測を行います。
9日は、海底に設置する基地局2台や、「ウェーブグライダー」と呼ばれる波の力を利用して進む無人の観測船など観測に使う機材を船に積み込んでいました。
観測では、プレート境界付近の深さ2000メートルから6000メートルほどの海底に設置してある3か所の基地局に海上の船から音波を送ることで、プレートが動いた距離を数センチ単位で測定します。
船は10日釧路港を出発し、根室半島の沖合およそ100キロから200キロの場所でデータを取得します。
北海道大学大学院の高橋浩晃教授は「千島海溝沿いで地震や津波を引き起こすひずみがたまっているか、明らかにできると期待している」と話していました。