チューリヒ、そして広島

スイス・チューリヒに住んで(た時)の雑感と帰国後のスイス関連話題。2007年4月からは広島移住。タイトルも変えました。

駅教会

2005年03月13日 06時25分56秒 | キリスト教
チューリヒ中央駅の地下1階、コインロッカーや例の有料トイレマックリーンがあるのと同じ階に、教会を表すピクトグラフのついた場所があります(写真)。

ここは、Bahnhofkirche (まさしく「駅教会」)と呼ばれるスペースで、60平方メートルほどのスペースに、チャペルと応接室が一つずつ、そして談話室が二つ設けられているそうです。中に入って確かめようかとも思ったのですが、毎日300人から500人ほどの人が、静寂を求めて、あるいは瞑想のため、祈りのため、あるいはまた、ここで配布されているメッセージ "Weg-Wort" を読むために来るということなので、その邪魔をしてもいけないと思って止めました。("Weg-Wort" はインターネットでも読むことができます。)

Bahnhofkirche には、カトリックの神父とプロテスタントの牧師が各1名、フルタイムで勤務しています。名前も「教会」だし、チャペルもキリスト教式に作られてはいますが、すべての宗教信仰を受け入れているとのことです。チャペルの中で、異なる信仰の持ち主が同時に祈ることも珍しくないとか。ムスリムの人々のためには特に、祈りのための絨毯を敷いた一角を用意しているそうです。

2001年5月から始まったこの「駅教会」、ドイツやフランスにも同様の施設が存在しますが、キリスト教会が、自分たちの教会堂の中で来会者を待つのでなく、自ら積極的に社会の中で役割を担おうとする努力の現われの一つだと言えるでしょう。