有難いな~・・・
あ~、ここに安心があるんだな~て思いながらその姿を見ていました。
お参りさせていただいたお宅に近所の家族がお参りされていました。
二間続きのお座敷で、御仏間の方には若いお父さんが3歳の子どもを足元に座らせお参りされた。
お婆ちゃんは、二の間の奥に椅子に座っておられます。
端から端ということです。
間のお休みの時、可愛いのでしょうね・・・
お婆ちゃんが「〇ちゃん、ここよ~!お婆ちゃん、ここよ!」って満面の笑みで手を振られるのです。
何回も呼び、手を振るのです・・・
でも、そのお孫ちゃんはというと、休みに出されたお菓子がいっぱい盛ってある菓子皿をジ~ッと見ているのです。
お父さんに開けてもらったアルファベット・チョコレート(一口チョコ)を食べながら、じ~っと・・・
その間もお婆ちゃんはず~っと微笑み呼んでいるのです、手を振っているのです。
有難いな~って思いました。
このお孫ちゃんの姿は私そのものでした!
ず~っとチョコレートを欲しているのです・・・
口にひとつ入れながら、モグモグしながら欲しているのです。
こんなコイツを案じて下さり、「私はここにおるよ!」って大きな声で喚び通しでした。
なのにやっぱりチョコを見つめているのです。
チョコのお皿を見つめる子どもに頭を撫でながら、「お婆ちゃん、呼んどるぞ!」ってお婆ちゃんのおる方向を指さし教えて下さったお父さん。
お父さんの指の向こうに大好きなお婆ちゃんが微笑んでいました。
それに気付くなり、お孫ちゃんも満面の笑みとなり手を振るのです。
でも、目線は直ぐにチョコレートに行ってしまいましたが・・・
どこまでも我が手の中見つめ、アレ欲しいコレ欲しいと煩悩を燃やす日常。
どこまでも変わらぬ心の有様・・・
こんなコイツを「救わずにはおけない」と喚び続け、抱きしめ続ける阿弥陀さま。
でも、気付かんコイツはやっぱり手の中を見つめています。
手の中のモノを守らんがために力を入れて握りしめている拳を・・・
「そんなに力入れてしもうて、手が冷たくなってしもうとる」ってご縁となって下さった方々が優しく擦り開けて下さり一緒に重ねて下さっていた手の温もりでした。
「ほら、阿弥陀さまがお立ち向かいだよ」って・・・
「あ~、そうなんや・・・」って気付かせていただくコイツがここにいます。
「ず~っと抱きしめらていた私だったのですね!」って・・・
でも、そんなコイツの安心なんて直ぐに消え、又、手の中を見てしまうのです。
その自らの煩悩に押しつぶされそうになるのです。
コイツの安心は煩悩に消えるけれども、阿弥陀さまが喚んで下さる安心は消えることがありません。
ず~っと、お月さまが離れないように・・・
気付きながら、気付きながら・・・