月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

手紙のはなし

2010年04月24日 22時35分05秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
手紙の整理をしました。
分類するだけにとどらず、ついつい中身を読んでしまいます。

折々に届くご門徒さまからのお手紙を読むとその方のお顔が浮かびます。
ご出講してくださった布教使さんからの手紙は、簡潔な中にもご法義のことばがあふれています。
「私たち 結婚しました」葉書はどのカップルも幸せそう・・・。
お友だちからの手紙に同封されていた写真を見ると、楽しかったことがいっぱい思い出されました。
でも、何と言ってもふるさとの姉と弟からの手紙は宝物です。
近況報告に加え、いつでもわたしのことを気遣ってくれる言葉や、また会おうねっていう言葉・・・他愛もない手紙なのですが、何度読み返してもいいものです。

いまはメールが主流になり、パッパッとメールで送信するか、手っ取り早く電話で用件を伝えることが多くなりましたが、手紙はいいものですね。
封を開けると、その時の温度をふうっと感じたり、送り主の声が聞こえたりしそうです。

たまには、姉や弟に手紙を書いてみようかな

金剛不壊

2010年04月24日 21時28分53秒 | 仏々相念(住職日記)
何でかな~・・・

かなりの歳を重ねられた方々が陣どりワイワイガヤガヤ。
宴会の席ではありません、お葬式のひと時です。
そこだけ、4,5人だと思うのですが声が響くのです。
気付かないのか、分からないのか・・・
何度お勤めを止めようかと思ったことか・・・
でも、止めてしまうと喪主さんご家族に心配掛けてしまうし、・・・
非常識極まりないこと、と思うのは私だけなのでしょうか?

お釈迦さまは、「長く生きたから尊いのではなく、どう生きてきたかが尊さを決める」とおっしゃったとか・・・

そんな歳にもなって目の前の人の涙が分からないのか!
その歳になるまでにはいろんなしんどさに出会われたでしょうに、
その度にグチグチ言い、寄り添ってくれる優しさにも気付かずいたずらに年を重ねてきたのでしょう。
そんなしんどい経験を通して共に涙流し、手を握り合うような優しさになるのに・・・
そうやって育てられていくのに・・・
気付かないのか・・・
気付かずに終わるのか・・・
残念なこと・・・

生きるということは大変なこと。
時には生きるために人を傷付けていたこともあったでしょう・・・
でも、傷付けたことを悔いながら申し訳なかったと生きていきたい・・・
こんな人生でも共に生き、支え、涙し、抱きしめて下さり、一人ぼっちにしないとおはたらき下さるあなたに出会いながら生きていきたい・・・
そこに人の尊さがあるのではないか・・・

如何ですか?                          


閻魔さま問答のはなし

2010年04月24日 01時07分52秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
今日は遊びに来てくれたYちゃん(ご院さんのちいさなお友だち)と草引き。
おうちのことや学校のこと、あれこれお話をしてくれます。

「学校でね、春を探したの。いちばんたくさんみつけられると優勝で、ビリの人は罰ゲームがあるんよ。あの尻文字いやなんよねー。」
「Yちゃん、優勝したん? それとも、もしかしてビリ?」
「ビリじゃないよ。 ○○君がビリ。尻文字したんよ。あーあ、なんで罰ゲームなんてせないけんのやろ。ぜんぜん見つけれんかったわけじゃないのに。少なかっただけなのに・・・。」
と、先生の罰ゲームに納得いかないご様子。
「そうだよね。その子も一生懸命春を探したのにね。」
Yちゃん、優しい子だね。

そんなこともあってか、問答開始!

「ねえ、閻魔さまって何才?」
「さあ、いっぱい才やない?」
う・・・超テキトーなわたし・・・
「閻魔さまって、いつ生まれて、いつ死ぬん? 閻魔さまってまだ死んでないんやろ?」
「うーーーーん・・・」
「ねえ、閻魔さまって、いつまで生きとるん?」

突然の閻魔さま問答・・・答えに窮します。

「この世の中に、悪い人がひとりもおらんようになったら、閻魔さまのご用もなくなるんじゃないかなあ。」
「ふーん、ひとりもか・・・」

そう言いながら、手で持って転がして遊んでたダンゴ虫をそおっと土に返してあげたYちゃんでした。

わたしはというと、北辰一刀流の剣士さながらにミミズやムカデを手鍬で斬殺してしまったり、ちいさなちいさな草のいのちを根こそぎ抜いてしまったり・・・
こんなふうに身でする悪事も恐ろしいですが、心でつくる悪事は大概恐ろしいものですね。

閻魔さま・・・わたしが生きている限りは現役バリバリ、休む暇なしですね。

素直で優しいYちゃんとの閻魔さま問答に考えさせられたことです。

さあ、草引きの仕上げは、箒目をつけること!
いつもは円を描くのですが、今日はYちゃんのリクエストにより大きなお花の模様にしてみました。

きれいになったねえ、Yちゃん

草引問答

2010年04月23日 22時16分14秒 | 仏々相念(住職日記)
「ポン」ふふふふ・・・

不覚にも背中を見せていました。
座り込みテールランプを拭いていると軽く頭をポンと叩くのです。
「えっ」と振り返ると満面の笑みで立っているのです。
もう背中から離れません。もたれ掛りながら私の髪の地肌をチェックし始めるのです。

昨日のこと、坊守から外国の猿の話を聞いたばかりでした。
若い雄猿がグループに入れて頂く為ボス猿に許しを請うのです。
ボス猿がグループに入ることを許可すると毛のノミを取ってやるのだとか・・・
私はまるでその若い雄猿の如く、彼女に許しを頂いたかのような状態でした。

前回、寂し気な別れだったので心配していましたが安心しました。

話しながら車体を拭いているとランドセルを階段に置き腕まくりして立っているのです。
「これ洗う!」ニコニコさんを見ているのです。
「Yちゃん、おっちゃん今日急いどるんよ。ササッと洗わい!」
「嫌だ!何で急いどるん?どこ行くん?・・・」
問答していると学校が早く終わった息子が笑いながら帰宅・・・
言ってくれたんでしょうね、坊守が来てくれました。
「Yちゃん、おかえり!お菓子あげよ!おいで・・・」
引き寄せられるように坊守のもとに・・・
坊守と一緒に境内の草引き開始!
楽しそうにお話をしながらきれいにしてくれました。
学校や家で「草引け」って言ったらつまらなそうにするんだろうな~・・・
でも相手が坊守、つまらない草引きが楽しくなるのでしょうね。
優しい微笑みに安心するのでしょう!

この隙に洗車を終え私も境内へ・・・
「Yちゃん、ありがとう!きれいになったね!ナンマンちゃんが喜んどらい。」
「喜ばんよ!」
「お菓子もらったん?良かったね!帰ってナンマンちゃんに手を合わせてから食べてよ!
 いいものもらったねってナンマンちゃんがきっと言うよ!」
「言わんよ!だって人形だもん!」
「いや!きっと聞こえるから手を合わせてね!
 じゃ、気をつけてお帰りよ!おっちゃん、ここから見とってやるけんね。」
「嫌っ!おっちゃんと遊ぶ!」

「じゃあ、おばちゃんが連れて行ってあげよ!」
坊守とお話しながらお菓子を手に楽しそうにお帰りになられた。
やっぱり、楽しそうに帰る姿の方がいいですね・・・
境内の香りはどうでしたか・・・?
そんなことどうでもいいか!一番喜んだのはナンマンちゃんだもんね!

「ご院さんもえらくなりましたね!」って坊守にお褒めを頂いたことは言うまでもない!
                          

悲しい音のはなし

2010年04月22日 22時19分06秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
お葬式のご縁・・・
お勤めが終わり、最後のお別れ。
お花いっぱいでお飾りされたお棺の中。
いよいよ蓋が閉められて
式場にカーンカーンと響く釘打ちの音。
最近、葬儀社によっては釘打ちをせず
代わりに花束を奉呈することもあり
この釘打ちの音を久しぶりに聞いた気がします。

カーン、カーン、カンカン・・・

なんて悲しくて切ない音でしょう。
もうその愛しい頬に触れることもできません。
手を取り合って、喜んだり悲しんだりもできません。

その音を聞きながら我が身のことを考えます。
わたしも必ずあの姿になります。
わたしのときはどうなんだろう。
ご院さんは、子どもたちは、どうしているだろう・・・

往生即成仏・・・
すぐに仏さまにならせていただくことはお聴聞でいただいているところですが
やはり、この身に執着してしまうのかもしれません。

悲しすぎます。苦しすぎます。切なすぎます。

けれど、
この悲しみの深い分だけ阿弥陀さまのお慈悲はより深く、広く、大きくつつんでくださるのですね。

これからは、ずーっといっしょだよ。