月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

窓際之姿

2013年10月22日 19時48分42秒 | 仏々相念(住職日記)

あ~、待っていてくださる・・・

 

縁に触れるとホンマの自分が持ち上がる。

恐ろしき言葉・・・

汚い言葉・・・

次から次へと止めどなく。

どれだけの微笑を曇らせたことでしょう。

これがホンマのコイツ・・・

 

そんなコイツをひた隠し外面飾るのですから・・・

申し訳ないことです。

 

お取り越しのご縁をいただいています。

村から村へと・・・

そんな今日この頃。

 

さあ、次の家は・・・

そう思うと同時にその家のご門徒の顔が浮かびます。

あ~、申し訳ないことに一年ぶりだよな~・・・

元気にされてるのかな~・・・

そう思いつつ、勝手知ったるというやつです、

お庭から入って縁のところから入ろうとします。

 

庭に入るところで既に縁のガラス戸にお婆ちゃんが待っていてくださいます。

コイツが来る方向を見ながら・・・

目が合うと何とも言えないいいお顔が・・・

嬉しいものです、コイツ。

 

心臓に大きな病を抱えています。

ちょっと動けば動悸・息切れが酷くなります。

だからお二階に御安置されているお内仏までお参りするのでも大変。

ハ~ハ~、ゼ~ゼ~・・・

肩で息をされる姿に何もできないコイツの小ささを知ります。

 

「ご院さん、お待ちしていました。

 ご無沙汰して申し訳ありません。」

「オバちゃん、すいません。ご無沙汰ばかりです。」

「お陰で今日は会えてよかったです。

 身体もこんな調子なので仏さまもほったらかしですが、

 久しぶりにおみがきもさせていただいて嬉しかったです。」

 

優しく微笑まれながら話す姿を見ては「会えた」ことを歓びました。

よくぞ願生っていてくださいましたと心に思いつつ

美味しい冷えたレモンティーをいただきつつひと時お話しできました。

 

去年も同じことを思いつつこの家を後にしました。

近くに来たら寄って帰ろうと・・・

でもやっぱり不意に寄ると嫌な時もあるかな~って遠慮したりまします。

「オバちゃん、突然参らせていただいても迷惑じゃないですかね」

「散らかってますけどいつでも来てください」

 

親鸞様のお陰で今日もあたたかい方々にお会いできました。


腕立住職

2013年10月21日 19時47分08秒 | 仏々相念(住職日記)

ウッ、リヤ~・・・

 

回帰性リュウマチのコイツは何しても気を遣います。

立ち上がる時も座る時も何かを取る時も・・・

下手をすると負担のいった関節が疼くのです。

少々の疼きなら何とかなるのですが、

これが結構いたいヤツで・・・

回帰性ですので1日2日すると疼きも治るのですが

これ結構痛いんです。

だったら疼かんように関節に気を付けながら・・・って思うのです。

 

でも、いつ頃からでしょうか、ふっと思うのです。

これ、曲がったまま固まりよるよな~って。

これはマズイやろ~ってんでボツボツ自分でリハビリをしています。

 

お風呂に入った時にゆっくり、ゆっくり・・・

曲がろうとしている逆方向に向けてジワ~っと反らせる感じで・・・

これがいいことなのかどうなのかコイツには分かりません。

でも、薬もないしやってもらうこともないとなるとこんなことでもするしかないのです。

焦らず、ゆっくり、ボツボツと・・・

 

現役の頃、

身体を鍛えるのは嫌いではありませんでした。

機械モノを使ったり、自分でしたり・・・

自分でする基本って腹筋・腕立・・・

臆することもなくできていましたが・・・

今となってはとてもとても・・・

 

でも、最近膝をつけてゆっくりゆっくり上体を下げつつ腕立もどきを始めたことです。

少々、手首に不安を抱えつつもゆっくり・・・

畳と身体が擦れ合うようなところで止めます。

手首に負荷を感じつつ、

大丈夫かって慕いつつ・・・

1セット20回・・・

たかだか20回、されど20回・・・

これでもできて嬉しくて・・・

いつしか膝を浮かして出来ることを夢見つつ。

腰がダメなので腹筋は絶対無理です。

 

疼くところがあるとしんどいですね。

腰より酷く疼く関節をゆっくり擦っています。

今疼くところを・・・

最も疼くところを・・・

腰も痛いんですけど・・・

 

コイツ、阿弥陀さまの疼く関節・・・


故郷浄土

2013年10月20日 19時40分25秒 | 仏々相念(住職日記)

あ~あ~、誰にも~・・・

 

穏やかで優しいひと時をいただきました。

ドスグロイ、ホンマのコイツを横に置けるような、そんなひと時。

背中に聞こえるご門徒の浄土三部経がお育て下さいます。

「ナンマンダブ ナンマンダブ・・・」

 

連ドラ「あまちゃん」が終了すると聞きつまらなくなるな~って思ってた頃、

娘がBSで「ちりとてちん」が始まるよって教えていただいた。

コイツの連ドラNo.1ドラマです。

といっても、すべて見たものはこれとあまちゃんだけですから・・・

 

昨日放送の話が「ちりとてちん」の中でも一番好きな場面、

夜中に一人で見ながら大粒の涙がこぼれ落ちたことです。

続いてもう一回見たほど。

 

「お母さんみたいになりたくないの・・・」

地味な人生を歩んでいるように映る母の人生、

そんな人生になりたくないと勢いに任せて言ってしまう。

お父さんに「お母さんに謝れ!」って顔をしばかれる。

ケンカして家を出ることを決意する。

 

翌朝、お母さんが「のど自慢、聴きに来い」って言われるが

「こんな時にそんな気分じゃない」と別れる。

 

のど自慢のステージは電車の線路のすぐ近く、

主人公が乗っている電車がそこを通る頃、お母さんが唄うのです、

「あ~あ~、誰にも故郷がある 故郷がある」(五木ひろし「ふるさと」)

お客さんに向かってではなく電車に乗り都会に旅立つ娘に・・・

涙しながら・・・

 

お前にも故郷があるんだよ

辛かったら帰っておいで・・・

 

その姿を・・・

その声を・・・

その歌を聴いて娘は叫ぶのです、

「お母さ~ん お母さ~ん お母さ~ん・・・」

何回も何回も何回も叫ぶのです。

 

「帰っておいで」の優しい声を「お母さん」と聴いていくのです。

 

沢山叫び、沢山泣いた主人公、

大好きなお母さんの姿が見えなくなった後の表情が何とも言えません・・・

寂しさと同時に「ヨシッ」って気持ちが感じられることです。

 

背中に聞かせていただく浄土三部経・・・

真実の親さま(阿弥陀さま)が、

「帰っておいでよ、私がいるから・・・

 大丈夫だよ、私がいるから・・・」と喚んで下さる。

その優しさを「ナンマンダブ」と聴かせていただいたことです。

 

あ~・・・

コイツにも帰るお浄土がありました。

 

阿弥陀さまの極楽浄土。


一年一度

2013年10月19日 20時25分09秒 | 仏々相念(住職日記)

一年に・・・

 

今年のお取り越しが始まりました。

いよいよだな~って気合い入れます。

 

予め連絡をさせていただいた時に

「食事は結構ですから・・・」ってお断りしていました。

でも、お参りするなり「お昼の用意をしていますから食べていってよ~」ってご案内下さいます。

「オバちゃん、すいません・・・」

 

高齢化の波が押し寄せています。

そして・・・

静かに静かに・・・

誰もいなくなるのでしょう。

寂しく思います。

 

ず~っとお寺を支えてくださるご夫妻です。

でも、この方も高齢です・・・

そのような状態ですからひと時の宿をお借りできるだけでもありがたのです。

食事なんてとてもとても・・・

でもやっぱり「してあげないといけん!」って御苦労かけることです。

「オバちゃん、ごめんね。大変やったでしょう・・・」

「いいえいいえ、何もできないのよ。

 一年に一度のことですからこれぐらいはさせてもらわんと・・・」

「すいません・・・」

 

コイツの目の前でオジさんが一緒に食べておられました。

美味しそうに食事されます。

「お元気でいいですね~」

「食事は美味しく食べれますから~」

 

「次は分かりません・・・」ってつぶやくオジさんに

「僕も一緒ですよ・・・」

そんな中・・・

御開山をご縁に

ひと時、出会えたことをよろこばせていただきました。