

2018年第42回世界遺産委員会において「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が審議されようとしていますが、遠藤周作の原作を完全映画化した「沈黙-サイレンス-」を見て社会の仕組みなどを深く考えさせられ、そして、深い精神性を持つ映画でした。神は死んだのか。もしそうでないなら、なぜ神は沈黙を貫くのか。まるで人々が苦しんでいるさまなど何も見えない、何も聞こえないかのように振る舞うのかなど宗教を問うものとされていました。また、神に対する強い信念と疑念に折り合いをつける、人はなぜ宗教を必要とするかなどのとても重い内容の映画でしたが、特にキリシタンが棄教することも「転ぶ(ころぶ)」と言うそうで、「転ぶ」についてじっくり考えるものとなりました。映画を見た後に思ったのは、新たな大統領の誕生したことよりエゴとエゴの対立が世界中で起こり、信念を殺し周りの様子を見ながら転ぶ人が多くなるのでないかと心配します。